第71章 風神鳥ルナローグ
フィディオ『あああああんっ!!』
バルフート『フィディオ殿!』
風神鳥ルナローグの翼より放たれる真空の刃にて身体を切り裂かれるフィディオ
彼女の可憐な騎士服はズタズタになり
露出した肌からは痛々しい切り傷が見え隠れしていた。
フィディオ『何て痛み…私…壊れてしまいそうですわ…』
マリー『長期戦になったら身体がもたないわ…何とか接近して短期決戦に持ち込まないと…』
傷ついたフィディオを見たマリーは長期戦は避けるべきだと考え
短期決戦に持ち込むべく自らが魔剣を構えた
魔王の会話を盗聴していた事で彼女にも自己犠牲の精神が芽生えており
そんな彼女を制止したのは
強靭な身体を持つ竜魔王バルフートだった。
バルフート『マリーよ…ここに優秀な壁役が居るのだ!若い娘が傷つく必要はあるまい!』
マリー『竜魔王バルフート…魔王様が命を賭けて召喚した貴方を…こんなところで消耗させるわけにはいきません!』
バルフート『だからこそだ…魔王様のお言葉は全てに優先する…竜魔王の異名に賭けて…お前達を魔王様の元へお届けする!!』
マリーとフィディオを後方へと下がらせるバルフート
彼の鋼鉄のような皮膚はルナローグの刃を真っ正面から受け止め
ダメージを受けながらもゼロ距離まで接近する事に成功した。
凶器のような翼ではあるが
単純なパワーではバルフートの方が上であり
この最大のチャンスを彼は見逃さなかった。
バルフート『竜魔砲…混沌波動砲!!』
ゼロ距離から放たれる竜魔王最強の魔法は風神鳥ルナローグを粉砕…
激しいダメージを負いながらも
彼は守護神の1体をほぼ単独で撃破する大金星をあげる事となった。
バルフート『ぐああああっ!』
フィディオ『竜魔王さん!?』
爆散したルナローグの悪あがき…
身体から散ったその危険な羽は周囲のものを無差別に破壊し
大量の羽に切り裂かれたバルフートは重傷を負って崩れ落ちた。
マリーやフィディオがトドメを刺していれば間違いなく彼女達が道連れにされており
彼はこうなる事を承知でルナローグを爆散させていた。
フィディオ『竜魔王さん!今私の魔法で貴方の時間を戻します!!』
バルフート『いや…それは出来ぬのだ…』
フィディオ『え…?』
バルフート『魔王様の禁術によって召喚された我々にはこの世界での時間は存在しない…空間ごと止めるフリーズならまだしもヒールやリザレクションは効果がないのだ…』
回復魔法も受けつけず
そのダメージは致命傷にも見えたが
バルフートは最期の瞬間まで魔王の為に尽くすつもりであり
潜伏していたバルフォースゼロに対して
暗黒のブレスを放った。
リベリオン『さすがだな…お互いに手負いとはいえ…瀕死の状態でバルフォースゼロを倒すとは…』
マリー『リベリオン!?』
リベリオン『悪いが王女フィディオよ…我と一緒に来てもらうぞ!』
フィディオ『嫌ですわ!イオリさんを虐めた貴女と一緒になんか行きたくありません!』
リベリオン『ほう…貴様はこの状況がわかっていないようだな…?』
フィディオ『えっ…』
バルフートのブレスで1体を倒したものの
フィディオの目には残る11体のバルフォースゼロとそれを率いるリベリオンの姿があった。
彼女はフィディオの確保の為に全戦力を集中させており
どう見ても多勢に無勢な状況を見たマリーは大人しく捕まる道を選んだ。
フィディオが天界にやってくる事はリベリオンの計算通りであり
彼女はその為にマリーの盗聴をスルーして情報を垂れ流しにしていた。
マリー『フィディオ…ここは大人しく捕まりましょう…ここで全面衝突するのは得策ではないわ…』
フィディオ『マリーさん…でも…』
リベリオン『安心しろ小娘!抵抗しないのであれば命までは奪わん!』
フィディオ『う…うぅ…』
リベリオンによって捕縛されるマリーとフィディオ
2人を捕らえた彼女はそのまま天空城の地下牢へと向かう事となり
マジックポースの方角に進んだカズマサがバルフートと合流すると
既に2人はリベリオンに捕らわれた後だった。
カズマサ『バルフート…すまない…』
バルフート『いや…謝るのは私の方だ…マリーとフィディオを守れなかった…』
カズマサ『お前はよくやってくれたよ…2人は俺が取り戻す…必ずな!!』
お互いに謝罪の言葉を交わすカズマサとバルフート
竜魔王は限界を超えて再び翼を広げる事となり
マリーとフィディオを取り戻すべく
カズマサはマジックポースの指す先へと突き進む事となった。
リアルワールドでトラブルに巻き込まれた為
投稿が遅れました(>_<)




