第68章 共闘する魔王と女神
カズマサ『麻美ちゃん…』
アサミ『ゲートは開けてあげる…でも1つ条件があるわ…』
カズマサ『条件…?』
アサミ『私も一緒に行く…それが条件だよ!』
自らも天界へ乗り込む事を条件に要求するアサミ
アクエリアやリベリオンとの会話から、カズマサは彼女が今どういう状況なのかを察しており
共闘を拒む理由は1つも無かった。
既に天界では戦争が始まっており
2人には話している時間すら惜しい状況だったが
出発直前
カズマサは彼女に確認を試みた。
だが…
カズマサ『麻美ちゃん!俺は…』
アサミ『私は貴方を信じてる…そこから先の言葉は必要ないよ!』
彼女は言葉を拒否してゲートを発動
2人の身体は異空間から天界へと移動する事となり
そこは2人が初めて会話をした場所だった
懐かしさを感じる空間ではあったが
外からは凄まじい爆音と悲鳴が響き渡っており
2人に過去を懐かしんでる時間は無かった。
カズマサ『酷い悲鳴だ…リベリオンの奴…罪の無い天使まで攻撃してるのか…?』
アサミ『それはわからない…けど…アレが動き出してるのは間違いないわ…』
カズマサ『アレ…とは?』
魔王であるカズマサに天界の構造を簡潔に説明するアサミ
天界は地上の4大国の同じように
火、水、風、雷の4つのエリアに別れており
それぞれのエリアには守護神となる神獣が封印されていた。
いずれの神獣も神の名に相応しい力を持っており
彼女が所属していた水のエリアを守護する神獣は
恐るべき戦闘力を持つドラゴンだった。
アサミ『水神龍アルレイス…私も見るのは初めてだよ…』
カズマサ『バルフォースゼロが3体でかかっても互角か…俺は漁夫の利を狙って奴らを全滅させる!麻美ちゃんは負傷した天使の救護を頼む!!』
水神龍アルレイスとバルフォースゼロの闘いによって崩壊していく水エリア…
闘いに巻き込まれた天使達は次々と傷つき倒れている状況であり
2人は双方を殲滅させるべく
三つ巴の闘いへ挑む事となった。
水神龍の水のブレスはどんな強度でも貫く恐るべき火力を持っており
如何に魔王と女神と言えども
直撃すればただでは済まない慎重な立ち回りが要求された。
マリー『魔王様…待っててください…今私も行きますから…』
場所と時間は変わり
数時間前の本拠地
マリーはバルフートとフィディオを連れて天界への魔方陣を発動していた。
彼女は盗聴機を通じてカズマサとアクエリア…更にはリベリオンの会話を全て耳にしており
彼もまた盗聴されているのを承知で話していた。
フィディオ『ふふふ…不思議ですわね…魔王軍のマリーさんが天界へのゲートを開けるなんて…』
バルフート『マリーよ…フィディオ殿を連れていくのは危険では…?如何に強力な魔法が使えても幼すぎる…』
マリー『彼女には私に何かあった時…魔王様の支えとなる力があります…』
フィディオは地上に残るべき…
そう進言するバルフートだったが、マリーは彼女の力が魔王にとって必要と考えており
本人も出陣を強く希望していた。
アサミから魔法陣の術式を教わっていたマリーは天界の風エリアへのゲートを発動させ
カズマサ達から遅れる事2時間後
マリー達3人も天界へと出陣する事となった。
その様子を物陰から見ている人物がいるとも知らずに…
ジャック『と言うわけだ…この世界の人間は絶滅し…魔王も女神も敵の親玉も天界に乗り込んで乱戦中だとよ…』
カズマサ、アサミ、マリー、リベリオン
思惑通りに話を進めていた4人全員の誤算となったのはこの男の存在であり
彼がマリーに仕掛けた盗聴機によって、全ての情報は今地上に生きる全員に漏洩していた。
ジャックの得た物は情報のみならず
魔法陣の術式まで記録しており
その魔法陣を発動出来る者を
彼は自らの力で仲間に引き入れていた。
アルテミス『これが天界へと続く魔法陣…』
ジャック『行きたい者は1歩前に踏み出すんだ…こればかりは強制出来ないだろう…』
天界の天使であるアルテミスは魔法陣によって天界へのゲートを繋ぐ事ができ
ジャックは志願する者を募集した
彼の言葉を聞いて最初に動いたのは無論この世界の勇者であり
同じパーティの武闘家も彼女に続いて動いていた。




