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10年後に討伐される魔王   作者: うずまき
第3部 円環の騎士団編
70/103

第67章 カズマサとリベリオン

リベリオン『まさか1人の護衛すら残さず帰すとは…大した度胸よの…』


カズマサ『そいつはお互い様だろ?召喚の魔法陣には発動までのタイムラグがある…寝込みを襲われたらどうするんだ?』



2人となって早々に互いを牽制するカズマサとリベリオン

闇落ちした女神と現役の魔王


立場としては似た者同士ではあったが

2人が進む道は交わる事のない平行線であり


考えの違う相手に興味を持った2人は

自分の考えをぶつける事となった。



リベリオン『面白い冗談を言う…貴様は我を邪な眼で見ているのか…?』


カズマサ『見てないと言えば嘘になるな…これから特攻する宣言をしているわりには髪は整ってるし…騎士服も中々オシャレじゃないか?』


リベリオン『よく見ているではないか…確かに我は天界を追放された堕女神…だが女神としての誇りや振る舞いは簡単には捨てられぬのだ…女神たるもの美しくなければならん…』


カズマサ『意外だな…そこまで語ってくれるのか…』


リベリオン『貴様が聞いたのだろうが!?ならばこちらも聞かせて貰うぞ!?』



意外過ぎるほどに会話に乗ってくるリベリオン


カズマサの言う通り

彼女の容姿は元アイドルであるアサミに劣らぬレベルで高く


そんな彼女は疑問に思っていた事を正面からぶつけてきた。



リベリオン『貴様…勇者に討たれる事を望んでいるようだが…なぜなのだ?』


カズマサ『それが俺の描いた魔王の…理想の悪役の最期だから…』


リベリオン『だが…貴様が理想の悪役になればなるほど…死ねば悲しむ者が増えるのではないか…?』


カズマサ『あぁ…だからこそ…俺はこの理想を貫くつもりだ…』



リベリオンの問いに本心から答えるカズマサ

彼は自分が討たれれば悲しむ者が多数いる事を承知でこの道を選んでおり


その道は悲しむ者達を思ってこその選択だった。



カズマサ『俺は皆が思うほど優れた存在ではない…明確な目標と信念が無ければ堕落し確実に皆を失望させる…それこそ任期を終え…普通の生活をしている俺を見たら確実に後悔し絶望するだろう…』


リベリオン『実は迷った上での決断か…?』


カズマサ『無論だ…マリー…バルフート…ロックゲイル…魔王軍の面々は俺の為に尽くし過ぎてくれた…迷わないはずがない…』


リベリオン『……』


カズマサ『尽くしてくれたからこそ…俺は理想の魔王のままで散りたいんだ…』


リベリオン『面白い奴だ…まぁ…そんな奴だからこそ魔王にスカウトされたのだろう…』


カズマサ『リベリオン…お前はどうして天界を追放されたんだ…?何か理由があるのだろう?』



全てを語った後にリベリオンに天界追放の理由を問うカズマサ


進むべき道は違うものの

2人は互いに似たものを感じており


リベリオンは自らの過去を語り始めた。



リベリオン『当時…女神だった我はこの世界の担当となり…魔王と結託して世界を征服した…この世界の長い歴史の中でも征服を成し遂げたのは我が盟主…光魔王プレリュードのみであろう…』


カズマサ『女神が魔王と結託して世界征服なんて…どうして…?』


リベリオン『プレリュードは凄まじい潜在能力を持って天界に生まれた女神だった…そんな彼女はある日の事…自らの力が抑えられずに担当していた世界を1つ滅亡させてしまった…1つの世界を滅亡させた彼女は罪人として記憶を消されこの世界の魔王となったのだ…』


カズマサ『……』


リベリオン『当時の担当となった我は彼女が元女神である事など知らずに親交を深め…魔王としての仕事をする度心を痛めていく彼女を見た…そして我は彼女の配下として世界を支配する事に決めたのだ…』


カズマサ『女神が断罪として魔王に…』


リベリオン『我はプレリュードが心を痛めぬよう最低限の犠牲で世界を征服し魔王軍の統治下で平和な世界が誕生した…だが天界の神々はそれを良しとせず世界をリセットした…女神だった我と魔王だった彼女は魂の螺旋へと放りこまれ復讐の機会を待ち続けていたのだ…』


カズマサ『リベリオン…』


リベリオン『つまらぬ話をしたな…我はそろそろ休むとする…貴様は好きにするがいい…』



全てを語り終え眠りにつくリベリオン


まだお互いに手札を残しているものの

会話の内容に嘘偽りはなく


カズマサも夜が明けるまで束の間の休息を過ごした。



そして…


リベリオン『魔王カズマサよ…久しぶりに楽しいひとときだった…貴様とはまた会いたいものだな…』


カズマサ『あぁ…こちらも同意見だ…』



天界へのゲートを繋げると死地へと向かうリベリオン


カズマサは天界へと乗り込む彼女を見送る事となり

全てを見届けた彼は自らも魔法陣を出現させ


密会用の決闘空間へと移動した。



異空間には女神であり

憧れの存在であるアサミが彼が来るのを待っており


カズマサは彼女のゲートを使い

単身で天界へと乗り込むつもりだった。





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