第64章 明かされる真実
マヤ『こ…ここは…』
ジャック『魔王の潜水艦の中だ…あれを使ったんだろ?しばらくは動けないはずだ…そこで休んでな…』
マヤ『ブラスターの地下室にホルスが残ってるの…このままじゃ彼も海の藻屑に…』
ジャック『それなら大丈夫だ…魔王の奴がお前が開けた穴から潜入した…俺達は先に帰ってろとの事だ…』
マヤ『魔王が…どうして?』
ジャック『そいつはお前の体力が回復したら説明するさ…今は休んでな…』
ジャックとマヤを潜水艦に残したカズマサは海中からブラスターへと潜入
浸水し崩壊を始めた隠れ家にてホルスを保護していた。
水圧に耐えられないホルスを抱えた状態での海中からの脱出は不可能であり
カズマサは正面から脱出するつもりだった。
ホルス『魔王カズマサ…どうして僕を…?』
カズマサ『女神様の頼みでな…今はわけあって協力関係にある…』
ホルス『魔王と女神様が…?』
カズマサ『話は後だ…まずは城を突破するぜ!!』
ホルスを連れ城内を突き進むカズマサ
警備のロードリッチーを華麗にスルーした2人だったが
出口付近にてマヤに倒されたハートの相方と遭遇する事となり
風魔剣士ファントムブリーズは自身の魔剣を手にカズマサに襲いかかってきた。
ファントム『ハートの帰りが遅いから見に来てみれば…思わぬ拾い物をしましたね…』
カズマサ『お前の相方なら海に沈んだぜ?』
ファントム『ほう…魔王よ…貴様がやったのか…?』
カズマサ『奴を倒したのは勇者パーティの武闘家マヤだ…魔王として…彼女に遅れを取るわけにはいかないな…』
憧れの存在だったマヤの奮戦で気合いが入るカズマサ
風属性に対して火属性が有利な事もあって彼はファントムを圧倒する事となり
それを見ていたホルスは魔王であるカズマサに憧れの感情を抱く事となった。
ファントム『こ…この私がここまで一方的にやられるとは…』
カズマサ『風魔剣士よ…貴様の風は俺の炎を煽る…殺意のある風程利用しやすいものはない…』
ファントム『ほ…炎を煽るだと!?』
カズマサ『我が暗黒の炎に焼かれるがいい!!暗黒の魔炎斬!!!』
黒炎を纏った一撃がファントムの鎧を完全に破壊し
核を失った風魔剣士はそのまま風化して消滅した。
マヤが相方であるハートを撃破した事で流れは大きく変わっており
これで倒すべき円環の騎士団は残り6体となった。
ホルス『イオリがあんなに苦戦した風魔剣士をあっさり倒すなんて…さすがは魔王だね…』
カズマサ『相性が良かっただけだ…本来風属性と火属性ならば火属性が有利…魔王の俺が有利な闘いで負けるわけにはいかないな…』
ホルス『火属性…か…』
あくまでも有利な条件下だった事をホルスに告げるカズマサ
残る騎士団のうち2体は火属性が苦手としている水属性であり
船着き場を襲撃した2人を待ち構えていたのは
その苦手とする少女騎士だった。
アクエリア『久しぶりだね…魔王君!』
カズマサ『あ…アクエリア…』
アクエリア『まさか制圧下の状況からファントムとハートが倒されるなんてね…予想以上の大健闘だよ!』
カズマサ『俺は既に炎魔王バルフォースと風魔騎士ファントムブリーズを倒している…降伏するなら命までは奪わないぜ?』
アクエリア『面白い冗談だね…君…本当は自分より弱い女の子を攻撃出来るような人じゃないんでしょ?』
カズマサ『ふぅ…お見通しと言うわけか…』
アクエリア『そんな君に話があるんだ…ちょっと来てもらうよ!』
カズマサ『!!?』
かつて剣を交えた少女騎士アクエリアが呪文を発動すると
辺りは濃い霧によって視界が遮断され
次の瞬間
カズマサの手を握った彼女は
そのまま海の底へと彼を連れ込んでいた。
カズマサ『海の中で普通に話せる…だと…?』
アクエリア『僕の泡魔法は水中でも地上と同じように活動出来るんだ…ここなら誰にも見つからないよね…?』
カズマサ『あぁ…大丈夫だろう…』
深海にて2人きりとなるカズマサとアクエリア
彼の実力と優しさに希望を感じた彼女は全てを語るつもりであり
太陽の光すら届かぬ闇の中で
アクエリアは語り始めた。
アクエリア『これから言う事を信じるかどうかは君次第…勿論…これから進むべき道もね…』
カズマサ『あぁ…俺はいつも他人の話は盲信せず参考程度に留めている…それで問題ないだろう?』
アクエリア『うん…それじゃ話すよ…僕…水魔騎士アクエリアは仮の姿と名前…僕は女神令によってこの世界の監視に来た女神…マミちゃんの先輩にあたるんだ!』
カズマサ『麻美ちゃんの…』
アクエリア『そう…本来この世界は女神に任命された者が最初に管理する事となる世界…100年の任期を経た女神は天界へと戻り別の役職を貰う…それゆえにこの世界は普通とは違うんだ…』
アクエリアの口から語られる世界の真実
参考程度に留めると言っていたカズマサだったが
彼女が嘘を告げる理由がないのは明らかであり
女神らしい真っ直ぐな瞳を見たカズマサは
この世界に転生するきっかけとなった麻美のコンサートを思い出していた。




