第57章 闇魔王リベリオン
イオリ「そん…な…」
王宮にて絶望し膝を折るイオリ…
彼女を待っていたのは味方の兵士達ではなく
別動隊の死霊王ロードリッチーであり
外の部隊とあわせてその数は10を超えていた。
既に王宮は制圧を完了されており
逃げ道を失って泣き崩れたイオリの前に
ロードリッチーの親玉と思われる女性が姿を現した。
リベリオン「貴様がこの世界の勇者か…もっとも…この状況では憐れな小娘でしかないが…」
黒い騎士甲冑にマントを纏った銀髪ロングの女
歳は20代後半から30代前半くらいに見えたが、その禍々しい魔力とオーラは間違いなく人間ではない事を示しており
そもそも死霊王を束ねる存在か死霊王より弱いはずもなかった。
イオリ「貴女が…タイダルの人達を!!?」
リベリオン「うむ…我が名は闇魔王リベリオン…魔王軍に伝わる召喚禁術…失われた未来の創造は元々女神である我の固有スキル…死者や平行世界の魂を術者の寿命と引き換えに召喚する禁術だが…本来の用途はそうではないのだ…」
イオリ「ま…まさか…」
リベリオン「そう…こやつらは現地調達の雑兵よ…術者の寿命を他者に肩代わりさせる別の禁術と組み合わせる事で無限の兵力を手に入れる…まさか我以外に完成させる奴が居るとは思わなかったがな…」
魔王軍の禁術について語るリベリオン…
現在世界各国を襲っている軍団は全て彼女の禁術によって召喚されたモンスターであり
魔王の為に発動させたマリーと違い
彼女は完全に私利私欲の為に他者の命を生け贄に捧げていた。
無論…リベリオンは目的の障害となるイオリをこの場で消すつもりであり
彼女がイオリの足下に魔法陣を出現させると
イオリの悲鳴が響き渡った。
イオリ「うああああっ!!」
魔法陣によって吸収される彼女の生命力…
リベリオンは今まさにイオリを禁術の生け贄にするつもりであり
死の恐怖を感じさせる激痛に
彼女は断末魔の悲鳴をあげて泣き叫んだ。
薄れゆく意識の中で仲間達…
そして魔王であるカズマサとの思い出が走馬灯のように蘇ったが
やがてその意識は闇の中へと消えてしまった。
リベリオン「はっはっはっ!中々の生命力じゃないか!もう少し貯めてバルフォースでも復活させてやるか!」
魔法陣の上で崩れ落ちるイオリ…
彼女の呼吸は完全に停止しており
その生命力は全て奪われてしまった。
今の彼女は完全に命を失った抜け殻となっていたが
リベリオンが油断したその瞬間
王宮全体が凄まじい冷気と共に凍結していた。
「失われた未来の凍結!!!」
この最上級凍結か使えるの地上にただ1人…
戦場に姿を現したタイダルの王女フィディオは、自らの持つ闇の魔剣リベリオンを振りかざし
イオリの凍結と魔法陣を解除した。
フィディオ「イオリさん…貴女は魔王様を討伐する使命を持った勇者…こんなところで死なせるわけにはいきませんわ…!」
力尽きたイオリを優しく抱きしめるフィディオ
いかに彼女と言えども最上級魔法を連発すれば身体への負担は相当なものだったが
今のイオリを救えるのは彼女しか居なかった。
フィディオ「失われた未来の修復…!」
聖なる光に包まれるイオリの身体…
その身体はまるで時間か巻き戻るかの様に修復されていき
フィディオの膨大な魔力消費と引き換えに
イオリは生命を取り戻していた。
イオリ「フィディオ…ちゃん…」
フィディオ「もう大丈夫ですわ…イオリさん…このゲートで逃げますわよ!」
魔王城へと繋がるデビルズゲートを発動させるフィディオ
リベリオンは凍結を破ってくる…
彼女は本能的にそれを察しており
イオリがゲートに足を踏み入れたその時
リベリオンの指から放たれた暗黒のレーザーがフィディオの右脚を貫いていた。
フィディオ「ああああんっ!!」
彼女の悲鳴を聴き思わず前に出るイオリ
例え勝ち目のない闘いであっても
自分より歳下の女の子は絶対に死なせないと心に誓っており
それを見たフィディオは彼女に逃げるよう絶叫した。
フィディオ「私に構わないでください!!今の貴女では彼女に敵いませんわ!!」
イオリ「そんな事はわかってる…でも…私の前で…歳下の女の子が殺されるのは我慢出来ないんだ!!」
イオリの言葉を受けたフィディオは止めても無駄である事を悟り
彼女は傷ついた脚を震わせながら魔剣を構えて立ち上がった。
その姿を見たイオリはリベリオンにフィディオだけは見逃すよう懇願したが
彼女の狙いは既にイオリからフィディオに移っていた。
次のボスキャラ登場です




