第55章 魔王VS炎魔王
バルフォース「流石は現職の魔王だな…この俺の剣を受け止めるとは…」
カズマサ「そいつはお互い様だ…我が炎の魔剣を受け止めた者はお前が2人目だ…」
この世界にて初めて止められる炎魔王の剣
魔王の身体が頑丈な事に加えて高い炎耐性を持つカズマサは、女神であるアサミが止められなかった剣を受け止め互角の打ち合いを繰り広げた。
その姿に魔王を敬愛するマリーは歓喜の涙を流していたが
魔王本人は絶望的な長期戦を強いられている事に気づいており
何とか打開策を考えているところだった。
カズマサ「(お互いに攻撃の通りが悪い以上…単純な能力で劣る俺に勝ち目は無い…どうする…)」
バルフォース「剣の勝負では決着がつかんな…ならば魔王に敬意を評して我が奥義をみせてやろう!」
カズマサ「奥義だと!?」
中庭の上空に出現する炎の魔方陣
魔法陣からは巨大な炎の剣が次々と降り注ぎ
その大きさは1本の全長が10メートル
7本の剣が中庭に降り注いだ。
バルフォース「七星の炎剣!!!」
同型の魔法を知るカズマサはイオリからこの魔法の攻略法を聞いており
彼1人ならばかわす事は容易だった
だが…
マリー「きゃあああっ!!」
カズマサ「マリー!!?」
攻撃範囲に入っているマリーを見たカズマサは、術者に密着する攻略法を放棄してマリーの救助へ向かい
彼女を庇った彼を炎の剣が貫いていた。
マリー「魔王様!!?」
これが他の属性だったら即死していただろう攻撃を受け重傷を負うカズマサ…
身体を貫かれた彼は一見すると絶望的な状況に見えたが
結果としてこの選択は逆転への一手へ繋がる事となり
自らを庇って負傷したカズマサを
マリーは全力の回復魔法にて治療していた。
バルフォース「魔王が側近を庇うとは…まるで勇者とその仲間だな…」
カズマサ「……」
回復魔法によって一瞬で治療され
炎魔王から勇者とその仲間みたいだと嘲笑されるカズマサ
理想の魔王を目指す彼としては1対1での勝利に拘りたかったが
炎魔王がマリーに手を出した事で大義名分が出来てしまい
この瞬間
彼はこの世界に来て
初めて自分の理想を放棄する事となった。
カズマサ「マリー…一緒に闘ってくれるか…?」
マリーに共闘を頼むカズマサ
彼女が闘いを見守っていたのはカズマサの意志を尊重した結果であり
彼のその言葉を受けたマリーは自身の魔剣プレリュードを持ち
敬愛する魔王と肩を並べる事となった。
マリー「魔王様…やっと私を頼ってくれましたね!!」
再び剣を交えるカズマサに自身が持つ闇と光の魔力を注ぎ込むマリー
炎の魔剣バルフォースはマリーの力を得て虹色の炎を発生させ
彼の背中にはマリーと同じ6枚の翼が出現していた
彼女はあくまでも魔王であるカズマサが敵を倒し
自分自身は守られるヒロインに徹するつもりであり
その考えは親友であるアサミに近いものがあった。
バルフォース「ば…馬鹿な!?」
剣で圧倒され驚きの声をあげる炎魔王
カズマサのステータスは通常の状態から比較して3倍に跳ね上がっており
更に闇と光の属性は耐性を持たない炎魔王に対して絶大な力を発揮した。
圧倒されプライドを傷つけられた炎魔王は、自身最大の必殺剣で真向勝負をするつもりであり
彼の魔剣は凄まじい勢いで燃え上がった。
バルフォース「魔王カズマサよ!!我が必殺の一撃!!その身で受けるがいい!!」
カズマサ「炎の魔法剣…そいつはもう俺の技だ!!炎魔王バルフォース!!お前のその異名!!俺が貰い受ける!!」
バルフォースの魔法剣に対して
同じ構えを取るカズマサ
魔剣に纏った虹色の炎は凄まじい勢いで燃え上がり
両者の魔法剣は中庭の中央でぶつかりあった
バルフォース「魔炎斬!!!」
カズマサ「円環の魔炎斬!!!」
虹色の魔法剣を受け砕け散る炎魔王の魔剣
闘いに敗れた炎魔王だったが
その表情は満足そうな笑みを浮かべており
炎魔王が光となって消滅するとカズマサの姿も元の身体へと戻っていた。
カズマサ「ハァ…ハァ…マリー…無事か…」
マリー「魔王…様…」
カズマサ「マリー!?」
戦闘の終了と共に吐血し倒れるマリー
外傷は回復魔法で完治していたが
彼女が魔王に対して使った魔法は自らの生命力を犠牲とする転生術の一種であり
衰弱したマリーはカズマサの手でベッドへと運ばれる事となった。




