第54章 侵略の炎魔王
トモスケ「侵入者だ!やはり狙いは本陣だったのか!?」
マリー「トモスケさん…貴方はここに隠れていてください…」
トモスケ「な…何をするっ!?や…やめ…ぬああああっ!?」
数時間前…
魔王城に侵入者警報が鳴り響くとマリーはトモスケの電源を切断し
単身で侵入者の元へと向かっていた。
真紅の鎧を纏った炎魔王は城の中を懐かしむように進んでおり
マリーの指事を受けた魔王配下のモンスター達は
彼を中庭へと誘導する事となった。
バルフォース「どうやら魔王は留守みたいだな…」
マリー「魔王様の留守を狙ってきたくせによくもそんな口が叩けますね…」
中庭にて炎魔王と対峙するマリー
いつもニコニコしている彼女だったが、今回の魔王不在を狙った卑劣な襲撃には怒りを露にしており
そんなマリーに対し
炎魔王の言葉は火に油を注ぐ結果となった。
バルフォース「堕天使マリーよ…俺は俺を召喚したお前を高く評価している…どうだ…?魔王を捨てて俺と一緒に来る気はないか?」
2年前の彼女だったら乗っていたであろう炎魔王の誘いだったが
今の彼女にとっては愛する魔王に対する侮辱以外の何物でも無く
バシッ…
気がつくと
彼女は炎魔王の頬に平手打ちを放っていた。
バルフォース「!?」
マリー「私は魔王様に永遠の忠誠を誓った身…彼の侮辱は許しません!!」
思わぬ攻撃に驚きを隠せない炎魔王
平手打ちを受けた彼はますますマリーを気に入る事となり
その強靭な右腕で彼女のか細い身体に掴みかかった。
マリー「痛ぁっ!!」
思わず悲鳴をあげるマリー
彼は彼女を力づくで屈服させるつもりであり
目に涙を浮かべるマリーに対して
バルフォースは自らの持論を述べた。
バルフォース「全て力ずくが当時の流儀でな…今の魔王軍の法律はそうではないのか?」
マリー「魔王様を貴方のような戦闘狂と一緒にしないでください!貴方がそのつもりなら…私は魔王様の右腕として貴方を倒します!!」
炎魔王の暴力に抵抗する意志を見せるマリー
中庭に誘導したのも戦闘となった際に城が壊れないようにする為であり
炎魔王を振り払った彼女は
自身の必殺魔法を唱えた。
マリー「聖魔砲!混沌波動砲!!」
凄まじい爆発が炎魔王を包み込み
その威力はバルフートの魔法と差のない威力を出していた
炎魔王の鎧にヒビを入れたのはこの世界では彼女が初めてであり
爆風の中から姿を現した彼は
左手の大砲から火炎魔砲を放った。
マリー「きゃああああっ!!」
炎に包まれて悲鳴をあげるマリー
纏っていた天使のローブはところどころが焼け落ち
露出した部分からは傷ついた肌が痛々しく腫れ上がっていた
傷ついたマリーはその場に崩れ落ち
そんな彼女に炎魔王は左手の大砲を突きつけた。
バルフォース「もう1度だけチャンスをやろう…我が配下となれ…堕天使マリー!!」
マリー「何度も言わせないでください…私は魔王様に永遠の忠誠を誓った身…彼の為なら…この命…惜しくはありません!!」
脅しでは屈しない…
そう判断した炎魔王は彼女の細い首を右手で鷲掴みにし宙吊りにした
死の恐怖を与え心を折るつもりであり
脚をバタバタさせて抵抗するマリーだったが
その表情はみるみるうちに真っ青になり
近づいてくる死の恐怖に
彼女の目からは涙が零れた。
マリー「うっ…あぁ…ま…魔王様…助け…て…」
薄れ行く意識の中で最愛の人に助けを求めるマリー
堕天使の儚い命は今にも尽きようとしていたが
彼女の意識が途絶える寸前のところで
黒炎を纏った魔剣がマリーの首を絞めていた右腕を切断していた。
『暗黒の魔炎斬!!!」
不意打ちとは言え炎魔王の右腕を切断したその剣技と魔力は、現職の魔王にふさわしいものであり
傷ついたマリーを抱えたカズマサは魔王に就任して以降
2度目となる怒りの感情を露にしていた。
マリー「魔王…様…」
カズマサ「マリー…どうして逃げなかった…?こんな城…奪われたらまた取り返せばいいだろう…?」
マリー「魔王城の防衛は魔王様の勅命です…側近の私が命をかけて守るのは当然ですよ…?魔王様こそどうして…?」
カズマサ「モニターからの通信が切れたから心配になってな…間に合って良かったよ…」
マリーの言葉に彼女1人を残した事を後悔するカズマサ
その手に抱えた天使はあまりにも弱々しく衰弱しており
彼が応急処置を終えると
炎魔王の右腕も炎と共に再生していた。
バルフォース「ほう…この場には現れんと思っていたが…」
カズマサ「炎魔王バルフォース…俺の側近を傷つけてただで済むと思うなよ!!」
交差する両者の魔剣
魔王のマントを羽織ったマリーは2人の闘いを見守る事なり
この世界での魔王就任以降…
カズマサは初めて格上との闘いに挑む事となった。




