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10年後に討伐される魔王   作者: うずまき
第2部 世界大戦編
39/103

第37章 先代魔王ゼロ

バルフォース「なるほど…アビスが女神に推薦したわけだ…よく似ている…」


アサミ「どうして侵略を!?貴方の魔王としての任期は300年前に…!?」


バルフォース「侵略…?ただの暇潰しだよ…」




暇潰し…


その言葉にヒロインとしてではなく

女神として怒りを爆発させるアサミ


彼を禁術で召喚したのは状況証拠からしてマリーで間違いなく


女神としてバルフォースだけでもここで倒すつもりだった。



だが…



アサミ「ああああああっ!!」


2人の魔剣が交わるとその衝撃で彼女のか細い両腕は音を立てて壊れてしまい


ノースリーブのワンピースから覗かせる腕は痛々しく腫れ上がっていた。


力の差は歴然で


もはや闘う価値がないと判断したバルフォースはアサミのか細い首を鷲掴みにし


そのまま容赦無く絞めあげた。



アサミ「は…放し…て…」



首を絞められパクパクと空気を求めてもがくアサミ


両腕を折られた彼女はもはや死を待つだけの死刑囚と変わらぬ状態であり


彼が少し力をいれると


アサミの細い首は簡単に折れてしまった。



アサミ「あ…あ…」



ピクリとも動かなくなるアサミ


彼女の死を確認した事で3機の天使が姿を現す事となったが


バルフォースは天使達とも互角以上の闘いを見せ


不死天使アスモデウスから蘇生された彼女だったが


既に彼女は戦意を失っていた。



バルフォース「そいつが女神令と言う奴か…?」


アサミ「そうだよ…私は死んでも蘇生され…3機の天使が私を殺した相手を消去する…」


バルフォース「ほう…なら試してみるか…」


アサミ「え…?」



天使達の相手をしながらもアサミを攻撃するバルフォース…


左手の大砲から放たれた火炎魔法が直撃すると


彼女のワンピースは無惨にも焼け落ち


あまりに凄惨な状態で絶命していた。



アサミ「うあああああっ!!もうやめてぇ!!殺さないでぇ!!!!」



強制的に蘇生されるアサミ…


まるで実験動物のように惨殺された彼女の心は完全に壊れてしまい


女神としてのプライドを捨てて命乞いをした。



チョロチョロチョロ…


身体のダメージが全快しないまま蘇生され

死の恐怖と痛みを2回連続で受けた事で

彼女の無事なスカートからは無惨にも水溜まりが広がっていき


目から光を失ったアサミは


もはやただの玩具でしかなかった。



アサミ「や…やめっ!…許し…あああああっ!!!」



3度目の死が迫る火炎魔法…


アスモデウスを破壊すれば止まるはずの蘇生を止めないのは彼が暇潰しをしているだけであり


火炎魔法が直撃したかと思われたその瞬間


火炎魔法は弾かれ


バルフォースの身体に雷魔法が炸裂していた。



バルフォース「むっ!?」



逆立った赤髪に白と赤の混ざった騎士服


アサミを助けた人物は魔王であるカズマサに良く似ていたが


彼には使えない雷魔法を放ち


悲惨な状態となっていたアサミにマントをかけていた。



ゼロ「バルフォース君!あまり新人を虐めるものではないよ!」


バルフォース「その姿…魔王ゼロか!!?」


ゼロ「久しぶりだな…まぁ…これは私の身体では無いのだがな…」



先代の魔王であるゼロ


光となって消えたはずの彼は魔王となった際に余ったカズマサの身体を借りて地上で生活しており


今回は可愛い後輩の窮地を見つけて乱入していた。



新人女神のアサミは彼を先代の魔王との認識だったが


彼は既に5回の魔王を経験している大魔王と言っても過言ではない存在であり


バルフォースとも旧知の仲であった。



アイドルだった麻美を女神として推薦したのも

アサミとして冒険者になる事を提案したのも彼であり


その素晴らしい功績の数々から


魔王としての肉体が滅びても天界から身体を支給されていた。



アサミ「ゼロ…さん…」


ゼロ「今回はイレギュラーのお祭り騒ぎだね…竜魔王バルフート君だけでなくバルフォース君まで召喚されるとは…余程彼が期待されているのか…」


バルフォース「バルフートも来ているのか?そいつは興味深い…今の魔王…是非会ってみたくなった!」



ゼロの登場でバルフォースの興味はカズマサに移り


バルフォースを連れたゼロはそのまま異空間へと姿を消していった


天使達も元の場所に戻っていき


ただ1人残ったアサミは傷ついた身体を引きずって海へ入った。



アサミ「う…うわあああんっ!!」



何も出来ずにボロボロにされた悔しさと悲しさで号泣するアサミ


海で身体を洗い流し


ボロボロの服にマントを羽織った状態でまだ息がある人間の救助へと向かおうとしたが


そんなアサミの前に忘れ去られていた仲間が姿を現した。



ジャック「そんな身体で人の心配か…?」


アサミ「ジャックさん…どうして…?」


ジャック「みんながゲートで逃げてる間に俺は海に沈んでいたからな…こいつらが助けてくれなかったら死んでたぜ…」



海に沈んでいたジャックはガレオン船に密航していたがいこつ兵達によって救助されており


消耗していた彼女にポーションを手渡した


勇者であるイオリが不在だったとはいえ


パーティとしては大惨敗であり


本来なら他者の救護が出来るような状態ではなかった。



ジャック「その自己犠牲の精神は女神のスキルなのか?」


アサミ「女神なのは関係ないよ…困っている人がいたら助けてあげる…ジャックさんだってイオリちゃんを助けてあげたんでしょ?」


ジャック「そういえばそんな事もあったな…」



戦闘中の会話を盗聴スキルで聞いていたジャックはアサミが女神である事を知り


ボロボロの身体を引きずって怪我人の治療をする姿を見た彼は


彼女が女神である事を実感


勇者、女神、魔王、側近、王女、王子と多くの大物と顔見知りである彼は既に一般の冒険者ではなくなっていたが


本人にとっての自分自身は今でもただの盗賊であり


特別な感情を抱く事はなかった。





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