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10年後に討伐される魔王   作者: うずまき
第2部 世界大戦編
37/103

第35章 砂の魔人ロックゲイル

ホルス「ひ…酷い…どうしてこんな…!?」


アサミ「落ち着いて…まだ滅ぼされたと決まったわけではないわ…」



航海の果てに風の国へと到着したアサミとホルス


2人が見た港町はがいこつ兵達に占領されている状態だった


既に国が滅びていると思ったホルスは酷く心を痛めたが


アサミはがいこつ兵達が敵意を持っていない事に気がついており


先行して上陸した彼女はそれを確認した。



がいこつ兵「風の国シュトゥルムは魔王の属国となったのだ!入国するのは構わないが騒ぎは起こさぬようにな!」


アサミ「なるほど…ご親切にありがとうございます…」



魔王軍によって占領されてはいたが


住人達は特に酷い扱いを受けてる様子もなく


2人は城下町まで平和的に向かう事が出来た


さすがに城まで入れて貰えるとは思っていなかったが


意外にも城を占領している魔王軍の幹部は、アサミ1人ならば歓迎するとの事であり



ホルスを宿に置いて入城したアサミを待っていたのは


意外な人物だった。




ゲイル「久しぶりだな…麻美…いや…アサミと呼んだ方がいいか…?」



かつて魔王軍の幹部としてイオリと死闘を繰り広げた砂の魔人ロックゲイル


水の国タイダルの騎士ディーネとの闘い以降彼は独断で風の国周辺に潜伏していた。



そんな彼がアサミの本名を知っており


魔王カズマサの指揮下から外れていたのにはある理由があった。



アサミ「ゲイル君…こっちで会うのは初めてだよね…」


ゲイル「あぁ…俺の魂は魔王軍を循環してるからな…この身体は3つ目だ…今闘ったらお前の方が強いだろうね…」



アサミ…マリー…ゲイル


この3人は転生前に同じ小学校に通っていた過去があり


そこで交戦した事があった。


交戦と言っても子供のプロレスごっこだったが


1つ上で体格差もあるゲイルには1度も勝つ事は出来ず


アサミは当時の事を思い出すと胸が痛くなっていた。


今回彼が独断で動いているのは旧知の仲であるマリーが暴走しているからであり


それを伝える機会を風の国にて待っていた。



ゲイル「堕天使マリー…いや…松江真理と言った方がいいか…彼女の暴走が目に余ってな…お前に相談する機会を待っていたんだ…」


アサミ「真理の暴走なら知ってるよ…私は1度彼女に殺されたから…」


ゲイル「いや…奴の暴走はその程度では終わらないだろう…気をつけた方がいい…」


アサミ「その程度って…命はそんなに軽い物じゃないんだよ…?君がトラックに跳ねられた時…私がどれだけショックだったか…」



ゲイルの言葉に昔を思い出すアサミ


彼がトラックに跳ねられ転生する事になったのは、当時11歳の麻美のせいであり


今回のマリーの暴走もその時と近い状況にあった。


その後もゲイルからの内部告発は続いていき


明らかに彼女が意図的に世界大戦を起こした事が発覚すると


アサミは自らのコミュ力不足を恨んだ。



アサミ「私…相変わらず人と話すのが苦手なんだな…止められたかも知れないのに…」


ゲイル「だから魔王と勇者にコミュ力に長けた2人を選んだのだろう…?」


アサミ「そうだよ…でも…今回の和平交渉は私にしか出来ないから…」


ゲイル「ならば魔王軍のガレオン船を貸してやろう…いくらかは速度が増すはずだ…」


アサミ「ありがと…助かるよ…」



運良く魔王軍からの協力を得たアサミ


宿に戻った彼女は状況をホルスに説明し

彼は自分の出番がなかった事を嘆きながらも

平和的な交渉が成立した事に笑顔を見せていた。


このまま雷の国とも停戦出来れば状況は一気に好転する…

そんな希望を抱いた2人だったが



現在…


雷の国アルザークは滅亡寸前の危機的状況に直面していた。



ジャック「ま…マヤ…大丈夫か…?」


マヤ「私なら平気だよ…でも…」



傷だらけのジャックとマヤ


戦場となった町は火の海とされ


兵士達の戦死者数は火の国や水の国を遥かに上回っていた。



身長は約3メートル

真紅の鎧と漆黒のマントを纏ったその暗黒騎士は、たった1人で一国を崩壊に追い込んでおり


その左手に装備された大砲からは魔王カズマサの火炎魔法すら上回る圧倒的な砲撃魔法を放っていた。


右手に装備された魔剣は大きさこそ2倍以上の物だったが、カズマサの持つ魔剣と全く同じ形状をしており


ジャックとマヤだけでは勝負になるはずもなかった。





ボスキャラ登場です。

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