第30章 海賊ジャック
ジャック「これで完成だぜ…まさかこんなところでサバイバルのスキルが役に立つとはな…」
アルザーク兵「おおっ!助かりましたぞジャック殿!」
ジャック『趣味で習得したようなスキルだ…必要ならまたいつでも言ってくれ!』
場所変わって雷の国アルザークの船着き場
アルザークに残されたジャックは
サバイバルのスキルを活かして船の生産に協力していた。
無論本人は戦闘に参加するつもりは微塵もなかったが
不正選挙によって内部からガタガタにされたアルザークにとって
彼の支援は素晴らしいものであり
報酬として木造のキャラベルを1つ受け取っていた。
ジャック「さて…船さえあればこっちのもんだ…さっさとイオリ達と合流しないとな!」
早速キャラベル船を出港させ
ブラドゥークを目指すジャック
漂流した時にイカダで脱出する用の航海スキルだったが意外と上手く舵をとっており
進路方向に幽霊船を発見した彼は華麗なUターンにて危機を回避した。
結局のところ
キャラベル船一隻で戦闘海域を突破するのは不可能であり
ジャックのキャラベル船はアルザーク近くの無人島へと到着した。
ジャック「ん…先客がいるのか?」
何も無い島はずの島で彼が遭遇した人影
その人影は剣を振れば木が倒れ
槍を突けば岩が砕ける恐るべきものであり
物陰から様子を見ていた彼に対して
クナイと思われる物が身を隠していた木に突き刺さった。
ジャック「ひぃぃっ!!」
エリシア「そこにいるのは誰!?」
クナイの持ち主に声をかけられ投降するジャック
彼の前に姿を現した少女は忍装束を纏った金髪のくノ一であり
盗賊のジャックとしては同業者との遭遇となった。
ジャック「こんな島に忍とは…修行中か…?」
エリシア「えぇ…私はエリシア…火の国への潜入任務に向けて修行中の忍よ…貴方は…?」
ジャック「俺はジャック…見ての通りの大海賊と言ったところかな…」
エリシア『大海賊…!?』
相変わらず適当なトークでコミュ力を発揮するジャック
話によるとエリシアは忍として修行中とのであり
更には耳を疑う事実を聞く事となった。
ジャック「この島を見る限り船は俺のキャラベルだけに見えるが…お前の船はどうした?」
エリシア「船?修行も兼ねて泳いで来たけど…?」
ジャック「ふぁっ!?港からここまで3キロはあるだろ!?」
エリシア「こう見えても体力には自信があるんだ…一応忍だからね!」
海賊を名乗ったジャックだったが
実は泳ぎが苦手であり
泳いで島まで来たというエリシアの言葉に戦慄
それからしばらくの間彼女の修行の様子を見せて貰う事となり
自分とのレベルの違いを把握するのに大した時間はかからなかった。
ジャック「なるほど…レベルが違うな…」
エリシア「むぅ…女だと思って馬鹿にしてる…?」
ジャック「それほどの力と技があれば性別は関係あるまい…俺が闘ってきた魔王軍の幹部と同等かそれ以上だ…」
ジャックが言っている事に嘘偽りは全くなかったが
全てを逆の意味で受け取ったエリシアは彼を本物の大海賊だと思い込んだ。
見た目だけは歴戦の大海賊に相応しく
キャラベル船で無人島まで来た事も事実であり
しばらく無人島でサバイバル生活を送る事となると
彼の噂はアルザークへと広まっていった。
マヤ「大海賊ジャックって…みんな適当な事言い過ぎだよ…」
その噂は無事にアルザークへとたどり着いたマヤの耳にも入る事となり
数日後
彼女はギルドからの依頼で無人島のエリシアを迎えにいく事となった。
ジャックとマヤの再会は約2ヶ月ぶりであり
海から姿を現した戦友に
彼は思わず目を疑った。
マヤ「本当に海賊やってるんだ…中々本格的だね!」
ジャック「いや…なんで泳いで来たんだよ!!これだから体育会系は!!」
マヤ『トレーニングを兼ねて泳いで来るのは別に普通じゃない…?水泳は全身の筋肉を使うから良い運動になるんだよ?』
エリシアに続いて無人島まで泳いで上陸したマヤ
ギルドからの依頼でエリシアは火の国ブラスターへの潜入任務へ向かう事となり
泳いで向かおうとする彼女を
ジャックは慌てて止める事となった。




