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10年後に討伐される魔王   作者: うずまき
第1部 魔王就任編
21/103

第20章 死霊王ロードリッチー

イオリ「ここは…?」


ロードリッチー「魔王軍の決闘用のフィールドだ…勝者のみがそこの魔法陣から外に出る事が出来る…」


イオリ「まさかマヤちゃんとジャックさんも!?」


ロードリッチー「今頃バルフートに惨殺されてるだろうな…そして勇者よ…お前はこの死霊王リッチーロードに殺されるのだ!!」



決闘用の異空間にて対峙するイオリと死霊王ロードリッチー


アンデッドの騎士王は禍々しい漆黒の鎧と仮面で身を隠し


手に持つ闇の魔剣は凄まじいオーラを纏っていた。


初日に交戦した魔王以上の威圧感を持つ敵を前にイオリの身体は恐怖で震えていた。



ロードリッチー「なぜ震えている?勇者とは勇気ある者の事ではないのか?」


イオリ「勇気ある者…か…」



ロードリッチーの言葉にアサミとの会話を思い出すイオリ…


先日の宿屋でアサミは彼女に自らが目指す理想のヒロインについて語っており


それに対するアンサーとして

イオリもまた自分が描く勇者について考えていた。



イオリ「それが理想の勇者の条件なら私は失格だよ…強い敵と闘えば恐いし…目の前で仲間が倒れたらきっと恐くて泣いちゃうから…」


ロードリッチー「まだまだ半人前と言う事か…だが魔王様の命令は絶対だ…いくぞ!半人前の勇者よ!!」



勇気ある者である事を否定するイオリ


ロードリッチーの剣を自らの魔剣ファントムブリーズで受け止めたものの力の差は歴然


瞬く間に追い詰められていったが


決して諦める事無く立ち向かった。



イオリ「(力…技…スピード…防御…魔法…全部相手の方が上…異空間じゃ雪男爵も呼べない…どうすれば…)」


ロードリッチー「まだまだいくぞ!!」


イオリ「ううっ!!」



ロードリッチーの飛ぶ斬撃を必死に避けるイオリ


同じ技を当てても一方的に押し負けてしまう以上は避けるしか選択肢が無く


直撃こそ避けてはいたが彼女の騎士服はボロボロになり


露出した部位からは大人ぶった黒い下着が見え隠れしていた。



イオリ「ハァ…ハァ…」


ロードリッチー「私の消耗を狙っているようだが無駄な事!アンデッドの王である私にスタミナの概念は存在しない!言わば無限のエネルギーなのだ!!」


イオリ「アンデッド…そうだ…確かジャックさんから聖水を…」


ロードリッチー「そろそろ終わりにしてやろう!!」



スタミナの概念が存在しないアンデッド…


それは即ち対アンデッドの生物兵器


女神の聖水が有効である事を意味しており


迫り来る斬撃に対して


彼女は一か八か賭けに出た。



イオリ「お願い!ゴーレムさん!力を貸して!!」


ロードリッチー「!!?」



闇の斬撃を弾く光のゴーレム…


女神の聖水を媒体に精製されたそのゴーレムは聖男爵(セイクリッドバロン)の名に相応しい力を持っており


聖男爵が戦線に加わった事で

劣勢だった戦況は互角へと変わっていた。



イオリ「そりゃぁ!!」


ロードリッチー「むっ!?」



風属性の飛ぶ斬撃が直撃するロードリッチー


聖男爵は自らがイオリの斬撃に巻き込まれるのを覚悟で突撃しており


ロードリッチーの剣とスピードを持ってしても避けるのはほぼ不可能だった。



ロードリッチー「この私に手傷を負わせるとはな…だが私の身体は再生し痛みも感じない…言わばそのゴーレムの上位互換だ!お前達に勝ち目などない!!」



切断された腕が再生していくロードリッチー…


その姿をイオリに見せつけた死霊王は高らかに勝利宣言したが


イオリは再生された事ではなく

切断出来た事を前向きに捉えており


むしろ勝ち筋を見つけた彼女は


最初よりも動きが良くなっていた。



聖男爵「イオリ…大丈夫?」


イオリ「ハァ…ハァ…私なら平気だよ…ゴーレムさんもあんまり無理しないでね…」



再生するのは聖男爵も同じ


闘いは消耗戦となり


その中で先に仕掛けたのはロードリッチーだった。



フィールドの上空に描かれる巨大な魔法陣…


それは死霊王が持つ最強の奥義への前奏曲であり


ロードリッチーは残る全ての魔力を魔法陣に送り込んでいた。



ロードリッチー「回避不能の全体攻撃ならばゴーレムを盾には出来まい!!勇者よ!!この勝負私の勝ちだ!!!」


イオリ「勝負はやってみないとわからないよ!風の魔剣よ…私に力を…!」



ロードリッチーの魔法陣に対抗し自身の魔剣に魔力を込めるイオリ


残された魔力には歴然たる差があったが


イオリの心に迷いは無く


ロードリッチーは魔法陣から暗黒魔法を発動させた。



ロードリッチー『七星セブンソードの闇剣(オブダークネス)!!!」



魔法陣から降り注ぐ7本の闇の剣


巨大な闇の剣はフィールド全体を無差別に貫き


直撃すれば間違いなく命は無かった


だが…



イオリ「ストーム!!ブレイカー!!!!」



イオリは魔法発動の隙を狙ってロードリッチーに全力の魔法剣を叩き込んだ


回避不能の全体攻撃…


それがこの暗黒魔法攻略の最大の鍵であり


風の刃を受けたロードリッチーはその場に崩れ落ちていた。



ロードリッチー「ば…馬鹿な…どうして…?」


イオリ「全体攻撃と言っても自分だけは攻撃しないと思ったからだよ…貴女の居る場所だけは安全だよね?」


ロードリッチー「ふふっ…見事だ…訂正しよう…お前は半人前なんかじゃない…立派な勇気ある者だ…」


イオリ「……」



崩れ落ちたロードリッチーは灰となって消滅


イオリが魔力を使い果たした事で聖男爵も元の宝石へと戻っており


彼女自身もダメージは大きかったが


仲間を救うべく傷ついた身体を引きずって魔法陣へと歩き出した。




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