第19章 魔王軍総攻撃
アナウンス「緊急事態発生です!ブラドゥークの冒険者は至急ギルドにお集まりください!!」
町の外まで鳴り響く緊急事態発生のアナウンス
初日の魔王襲来以来となる緊急事態だったが
初日に魔王を退けている事もあってそこまで重い雰囲気にはなっていなかった。
ただ1人の賢者を除いて…
アサミ「(どう言う事…始まりの町を攻めるような軍勢じゃない…脅しにしてもやり過ぎだよ…)」
ブラドゥークへ集結する魔王軍…
竜魔王バルフートと死霊王ロードリッチーに加えて大量のダークナイトがズラリと並んでおり
ブラドゥークどころか火の国や水の国ですら滅ぼせるだけの戦力が襲来していた。
その中に魔王であるカズマサの姿は無く
次の瞬間
アンデッドの騎士王であるロードリッチーが闇の魔剣で飛ぶ斬撃を放ってきた。
冒険者少女「あああああっ!!」
イオリ「う…嘘…」
飛ぶ斬撃はイオリの隣にいた冒険者の少女を直撃…
少女の身体は無惨にも真っ二つとなってしまい
この一撃でアサミは魔王軍が本気でブラドゥークを滅ぼしに来てる事を理解した。
イオリにとって顔見知りが惨殺されるのは無論初めての事であり
ロードリッチーがイオリ
バルフートがマヤへと襲いかかると
次の瞬間
ジャックの声が響き渡った。
ジャック「六芒星の魔法陣だ!!気をつけろ!!!」
イオリとロードリッチー
マヤとバルフートをそれぞれ包む魔法陣…
間に合わないと判断したジャックはマヤの魔法陣へと飛び込んだ
魔法陣に包まれた2組は魔王軍の用意した決闘用の異空間へと移動させられる事となり
ダークナイト達は残された冒険者を皆殺しにするべく突撃してきた。
アサミ「(もう隠してる場合じゃない…全力でやらないと…)」
天界より魔剣アビスミラージュを召喚するアサミ
もう自分の正体や役割を隠している場合じゃないのは明らかであり
魔法剣でダークナイトを一掃しようと構えた
その時だった。
マリー「貴女の相手は私ですよ…女神様…」
アサミ「ま…真理!!?」
確実に捕えるタイミングを狙っていた3つ目の魔法陣…
マリーはアサミを連れて決闘用の異空間へと移動した
この異常事態に普段は仮の自分を貫いているアサミも
今回は感情を爆発させており
涙ぐんだ声でかつての親友に問い掛けた。
アサミ「真理!!これはどういう事!?これは魔王の命令なの!!?仮に魔王の命令なら止めるのが貴女の役目でしょ!!?」
マリー「これは魔王様の命令ではありません…全ては私の独断です…」
アサミ「真理!!?」
泣き出すアサミとは対称的に冷たい目で語るマリー
彼女の言う通り
マリーは魔王がハニートラップでのぼせている間にモニターのトモスケと結託
魔王軍の作戦命令を全て書き替えてブラドゥークを襲撃していた。
マリー「魔王様は魔王軍…いえ…世のため…人のため…魔族のため…頑張り過ぎています…どうしてそんな人が僅か10年で死ななければならないのですか!?私は魔王様を絶対に死なせません!!!」
アサミ「落ち着いて真理…魔王に10年の任期で死ぬ義務はないわ…10年での討伐を望んでるのは彼個人の拘りで…」
マリー「私には魔王様の美学を否定する事なんて出来ません!!!私が魔王様を守るには勇者パーティを全滅させるしかないんです!!!」
魔王への想いを爆発させるマリー…
彼女の言う勇者パーティには無論親友であるアサミも含まれており
親友であるアサミに対して
マリーは全力の魔砲攻撃を放った。
マリー「ケイオスフレアバースト!!!」
かつて雪男爵を跡形も無く消し飛ばした混沌の魔砲攻撃
爆風の中からはボロボロに傷ついた親友の姿があり
この攻撃でアサミも彼女が本気である事を理解させられた。
アサミ「う…うぅ…」
マリー「麻美…これでわかった…?私が本気だって事…?」
アサミ「わかったよ…親友として…女神として…私は貴女を絶対に止める!!アビス!!ソリチュード!!!」
アサミも全力の水魔法にて反撃
極太の水流ビームがマリーの身体に炸裂したが彼女はそれでも立ち上がり
右側の3枚の翼と右腕から恐るべき攻撃を放った。
毒蛇王の必殺技であったジャヌーラを4発同時に発動する禁術は、間違いなくアサミの命を奪うつもりで攻撃しており
4体の猛毒蛇に両腕両脚を噛まれたアサミは断末魔の悲鳴をあげて崩れ落ちた。
アサミ「ぎゃああああっ!!!」
露出していた綺麗な腕と脚から真っ赤な血が噴水のように吹き出し
4ヶ所から猛毒を流し込まれた彼女は真っ青な顔で身体を震わせた。
その震えは身体が死から逃れようと必死にあがくサインであり
今まさに…彼女の身体は終焉を迎えようとしていた。




