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10年後に討伐される魔王   作者: うずまき
第1部 魔王就任編
15/103

第14章 雷の国アルザーク

イオリ「ここが雷の国…なんか昔の日本みたいだね…」


ジャック「そのニホンとやらはよくわからないが…俺はこの雰囲気わりと好きだな…」



雷の国アルザーク

他の3ヵ国と比較すると小規模な国ではあったが軍事力では決して劣らぬ物を持っており

ゲートによって訪れたイオリは、その和風な雰囲気に江戸時代の日本をイメージしていた。


ギルドの話によるとこの国へと侵略した魔王軍は、東部に前線拠点を設立したとの事であり


4人は国の兵士達との共同戦線で拠点の攻略へと出陣した。


雷の国を侵略している魔王軍の幹部

毒蛇王ゾーリャは紫のローブを纏った神官のような姿をしており


拠点へと近づくと


ポイズンアリゲーターと呼ばれるワニのモンスター達が沼から出現しパーティに襲いかかってきた。



マヤ「や…やだ…気持ち悪い…」


ジャック「あの沼は毒で危険だ!!マヤは近づかない方がいい!!」


マヤ「ジャックさん…」


イオリ「拠点まで走り抜けよう!ジャックさんは罠感知をお願い!!」



沼付近での戦闘が危険と判断した4人は敵の拠点まで一気に走り抜け


上手くワニとの戦闘を回避した一行はそのまま敵陣へと突入する事となったのだが


それは魔王が仕掛けた罠であり


パーティ4人全員が拠点へと入場すると


入り口の門が閉まり


中へと閉じ込められていた。



イオリ「そんなっ!?」


ジャック「俺の罠感知は反応しなかったぞ!?どういう事だ!?」



罠感知が効かなかった事に取り乱すジャック…


そんな彼らの前に


罠にかけた張本人が姿を現した。



カズマサ「ふはははは!盗賊よ!罠感知が効かなかった理由を教えてやろう!」


ジャック「ま…魔王!!?」


カズマサ「簡単な話だ!この俺自らが手動で門を閉めただけだからな!!」


ジャック「な…なんだと…ま…敗けた…」


アサミ「(そこ正直に話すとこじゃないよ…もう…)」



彼のカミングアウトに呆れるアサミだったが


スキルを破られたジャックは本気で落ち込んでおり


次の瞬間


魔王はイオリに向けて移動魔法を発動していた。



カズマサ「勇者イオリ!!お前の成長!!少し見せて貰うぞ!!」


イオリ「魔法陣!?しまっ…」


アサミ「いおりん危ない!!」


カズマサ「!?」



イオリを突き飛ばし


自らが魔王の仕掛けた魔法陣へと入るアサミ…


カズマサにとって移動魔法の失敗は想定外の事であり


頭が真っ白になった彼の耳に


魔法陣へと突っ込んだアサミの声が響き渡った。



アサミ「いおりん…私…助けに来てくれるって信じてるから!!」


イオリ「アサミ!!」



魔法陣によってテレポートするアサミ…


それを見たカズマサはその場を配下に任せて彼女を追い掛け


イオリとの決闘用だったフィールドへと移動した



本来なら魔王と1対1の状態になった少女は恐怖で泣き叫んでいるはずだったのだが


アサミの表情に迷いは一切無く


彼女の右手には聖なる光に包まれた魔剣が握られていた。



カズマサ「魔王の俺と2人きりなのに大した余裕だな…そんな細腕の剣でこの俺に敵うと思うか?」


アサミ「ふふっ…試してみる?新米魔王君!!」


カズマサ「!?」



アサミの魔剣から放たれる水を刃へと変えた飛ぶ斬撃


彼女の持つ魔剣アビスミラージュは水の力を持つ第3の魔剣であり


慌てて自身の魔剣を取り出したカズマサは


何とかそれを相殺した。



カズマサ「その魔剣…その声…まさか…麻美ちゃん!?」


アサミ「やっと気づいたみたいね…」


カズマサ「そんな…俺…気づかないで…」


アサミ「君は魔王で私は勇者パーティの賢者だからね…何も間違ってないよ?」



気づいたと言うよりは気づかされたと言うのが正しいだろう


目の前にいる少女が自分の憧れのアイドルと気づいたカズマサは、初日の交戦を強く後悔する事となり


あろうことかその場で土下座を始めていた。



カズマサ「わー!ごめんなさいごめんなさい!麻美ちゃんの首を絞めるなんて!」


アサミ「はいストップ!魔王なんだから頭を下げない!目の前に敵の女がいたら死なない程度に痛みつけるくらいの事はしないと!」


カズマサ「そ…そうだった…」


アサミ「私も君と同じだよ…君が理想の悪役を目指してるように…私は理想のヒロインを目指してるんだ!」



魔王であるカズマサの土下座をやめさせるアサミ


この空間は魔王の魔法陣でしか来れない特殊なフィールドであり


2人の会話が他の者に聞こえる事はなかった。



彼女が持つヒロインの美学


それを聞いた彼はアサミが窮地に陥った時の事を思い出した。



カズマサ「そうだ…あの時冒険者達はアサミを助ける為に…」



ヒロインとは周りに勇気を与え

その代わりに守られるべき存在であると考えるアサミ

露出度が高い装備を好み

敵に攻撃されるように立ち回るのも全ては彼女の美学であり

例外を除いてボス敵へのラストアタックも他の仲間に譲ると決めていた。


この対面はお互いに立場上トドメを刺す事も出来ず

どちらが勝利しても影響のない言わばエキシビションマッチであり


全てを話終えたアサミは戦闘の継続を希望した。



カズマサ「そういう事なら手加減はしないぜ!!魔王として勝たせて貰う!!」


アサミ「仮の身体だけど…私も女神として敗けるつもりはないから!!」



お互いの魔剣を交える2人


パワーでは魔王であるカズマサに分があるもののねじ伏せられる程の差ではなく


彼は地上では使用した事のない極大魔法を放つべく


牽制しながら飛行魔法にて距離を取った。



アサミ「流石は魔王だね…いいよ!受け止めてあげる!!」


カズマサ「いくぜ!!空間砲撃!!ヘルフレイムエミッション!!!」



上空に精製された直径10メートルはある巨大な豪火球を放つカズマサ


地上で放てば村1つ焼却しかねない極大魔法が水と冷気のバリアを貼るアサミに直撃すると


白い煙が充満しお互いの視界が遮断される事となった。



カズマサ「ハァ…ハァ…くっ…どこに…」



煙に撒かれてアサミを見失うカズマサ


勝敗を分けたのはアサミが持つ天使の眼と2年分の経験の差だった。



カズマサ「煙が…冷たく…まさか!!?」



煙の中で魔剣に魔力を込めるアサミ…


魔剣に込められた水と光の魔力は凄まじい冷気となって煙を氷結させ


彼がアサミを視認した時には既に手遅れだった。



アサミ「氷結の秘剣!!深海の儚き想い(アビスフラジール)!!!』


カズマサ「ぐあああああっ!」



水と光の魔力で氷結させる魔法剣深海の儚き想い(アビスフラジール)


それは炎のみを纏ったカズマサの魔法剣よりもワンランク上の奥義であり


魔法剣を受けたカズマサは断末魔の悲鳴をあげて崩れ落ちた。



アサミ「大丈夫?痛くない?」


カズマサ「手加減無しで直撃させといてよく言うよ…」



倒れた彼に駆け寄り回復魔法をかけるアサミ


2人の初めての闘いは彼女が勝利する事となり


魔王として初めての敗北を経験したカズマサは最低限の回復魔法を受けると


何とか自分の足で立ち上がった。



カズマサ「今日は楽しかったよ…アサミ…このリングを受けとってくれ!」


アサミ「これは…」


カズマサ「この決闘空間の魔法陣を呼び出すリングだ…魔王としてリベンジする必要があるからな!」


アサミ「ふふっ…そういう事にしとしてあげるよ…」


カズマサ「今日は楽しかったよ…ありがとう…」



イオリに渡す予定だったはずのリング…


予定は完全に狂い

身も心もボロボロにされたカズマサだったが


アサミとの繋がりは彼にとって運命を変える出来事と言っても過言ではなく


城へと戻ったカズマサは


マリーから本格的な治療を受ける事となった。




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