表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10年後に討伐される魔王   作者: うずまき
第4部 魔王討伐編
101/103

第98章 勇者と魔王

マリー『ふふふ…魔王様に歯向かう憐れな小娘には相応しい末路じゃないかしら…?』



傷だらけの腕を縛られ吊るされるアサミ…


ズタズタにされた騎士服は既に最低限の場所を隠しているだけであり


牢獄へと戻った魔王の視点から見た彼女は

激しい拷問の末に力尽きてしまったようにしか見えなかった。



カズマサ『ま…マリー…さすがにやり過…』


マリー『魔王様…間も無く勇者パーティが到着する頃…この小娘は私がいただきますね…?』


カズマサ『も…もうそんな時間か…なら…こっちは頼んだぜ…』



マリーの言葉を受け

中庭へと向かうカズマサ


そこは10年前に勇者イオリと闘った思い出の場所であり


魔王である彼は残された最後の時間を物思いに耽りながら過ごす事となった。



魔王の視点から見れば順調に進んでいる最終決戦だったが


視界の外ではトラブルが多発しており


数分後…

魔王城の港に凄まじい爆音が響き渡る事となった。



カズマサ『な…なんだぁ!?』


フィディオ『ジャックさんの船が止まれずに港に衝突した音ですわね…私…救助に行って参りますわ!』


カズマサ『あいつには学習能力がないのかよ!?』



港にて沈没していくバルフート号


フィディオが港へと到着すると

そこには無事に脱出した4人のパーティメンバーが船から脱出しており


約1名の姿が見えない彼女は

その疑問を問いかけた。



フィディオ『皆さんご無事でしたのね…ジャックさんは?』


マヤ『その辺の海に沈んでるわ…もう助けなくていいんじゃないかな…』


フィディオ『何を言ってるんですの!?』


イオリ『大丈夫だよ…そろそろ浮かんで来るから…』



彼女の言葉通りに浮かんで来るジャック


彼の装備には水に反応する浮遊リングが搭載されており


それは彼が自らの技術開発によってカナヅチを克服した事を意味していた。



ジャック『ふぅ…過去の反省は活かさないとな…これで俺はカナヅチを克服したわけだ!』


マヤ『反省を活かすところがずれてるわよ!私達じゃなかったら海の藻屑になってるわ!』


ホルス『さすがに今回は死ぬかと思ったよ…ユキちゃんは大丈夫…?』


ユキ『はい…なんとか…』



ジャックの新型船はブレーキに逆噴射を採用したものの


それを起動した事で船は衝撃に耐えられず崩壊し今に至っていた。



魔王との決戦前に勇者一行は既に満身創痍となっていたが


フィディオはこれが魔王の求めた勇者パーティである事を理解しており

物陰から最後の闘いを見守る事に決めていた。




イオリ『ここが魔王城の中庭…10年前…私が魔王と闘った場所だ…』


カズマサ『左様…貴様との決戦に相応しい場所だろう?他の者に邪魔はさせぬ…!』



中庭へと足を踏み入れた勇者パーティとそれを迎える魔王軍


魔王が合図を出すと


幹部達はそれぞれ魔王と勇者が一騎討ちで闘える状況をつくるべく動きだし


そのやり方は10年前に魔王軍がブラドゥークを襲った時によく似ていた。



ジャック、マヤ、ホルスと3人のパーティメンバーは魔王軍の幹部達によって魔法陣の中へと消えていき


残されたイオリとユキの目の前に

死霊王ロードリッチーが出現した。



イオリ『ロードリッチー…一騎討ちじゃなかったの?』


カズマサ『勇者イオリ…貴様にウォーミングアップの機会を与えてやろうと思ってな…やれっ!!』



魔王の指示で動き出すロードリッチーが魔法を発動すると


中庭の上空に出現した暗黒の魔法陣から7つの剣が降り注ごうとしていた


その魔法…七星の(セブンソードオ)闇剣(ブダークネス)は2人にとっても特別な魔法であり


その攻略法は誰よりも彼女がよく知っていた。



カズマサ『ふはははっ!いつかの小娘のように真っ二つになるがいい!!』


ユキ『い…嫌ぁぁぁぁ!!』



広域に降り注ぐ7本の剣…


姉を殺されたトラウマで悲鳴をあげるユキだったが

イオリはそんな彼女を抱えてロードリッチーに突撃し


魔法を発動するよう促した。



イオリ『今だよ!お姉さんの仇を討って!!』


ユキ『は…はい!!アイシクル!ブラスター!!』



魔法の安全地帯は術者の場所であり


最上位魔法発動の隙を突かれたロードリッチーはユキの中級魔法の直撃を受け凍結していた。



魔力が切れたロードリッチーは粉雪のように消滅していき


魔王がしたかった事を察していたイオリは


最後の闘いを前にジャックの用意したマジックポーションで魔法陣を作成した。



ユキ『イオリさん…私…』


イオリ『この魔法陣の先はブラドゥークのギルドへと繋がっているわ…本当はジャックさんに貴女を任せるつもりだったけど…ちょっと無理そうだから…』


カズマサ『ほう…自ら退路を捨てると言うのか…?』


イオリ『退路なんか必要ないよ…私は負けるつもりなんてないから!!』



目的を達したユキをブラドゥークへと送還したイオリは覚悟を決めて魔剣を握りしめ


カズマサもまた自身の魔剣バルフォースを握りしめていた。



時刻は午前0時…


魔王就任からジャスト3650日目を迎えたところであり


魔王カズマサの最後の闘いが今始まりを迎えようとしていた。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ