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10年後に討伐される魔王   作者: うずまき
第4部 魔王討伐編
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第97章 新しい生命

カズマサ『ほう…こうして見ると中々美しい顔をしているな…』


アサミ『な…何をするつもり…!?』


カズマサ『一騎討ちの約束だったな…他の者は見逃してやろう…他の者はな…』



傷ついたアサミに迫る魔王の手…


力尽き身動きが取れない彼女は魔王によって抱えられ

その身体は光に包まれていた。



闘いに敗北した彼女を連れた魔王達はそのまま魔法陣にて姿を消してしまい


ブラスターより向かっていた勇者パーティが到着したのはそれから5分後の事だった。



イオリ『良かった…街は無事だったみたいだね…』



戦闘による多少の破損はあるものの

街自体には大した被害も見られず


到着したイオリは軽い擦り傷を負っていたユキに応急処置を施した。



治療を受けた彼女はイオリに魔王によってアサミが拐われた事を伝える事となり


それを聞いたイオリは彼女をパーティに誘っていた。



ユキ『無事なんかじゃありません…アサミさんが私達の為に捕まったんです…』


イオリ『大丈夫だよ…私達は魔王を倒して必ずアサミを助け出す…君も力を貸してくれないかな?』


ユキ『え…でも…私なんか…きっと足手まといにしか…』



イオリの誘いに足手まといになると断るユキ


普通の冒険者であればそれが当然の反応だったが

イオリはユキを魔王城へと連れていく必要があり


アサミは彼女のコミュ力を信じて

何の下準備もしていなかった。



イオリ『私ね…君のお姉さんがやられた時…すぐ隣にいたんだ…』


ユキ『イオリさん…』


イオリ『あの時は何も出来なかったけど…今なら仇を討てるから…その瞬間を君に見せたいんだ!!』


ジャック『安心しな…女子供を危険な目には遇わせねぇよ…俺が保証するぜ!』


ユキ『え…あ…貴方は…?』


ジャック『俺はジャック…見ての通りの海賊さ…魔王の奴とは顔見知りでな…ちょいと礼をしに行くところだ…』



迷うユキに響き渡るジャックの声


初対面となる彼の印象はまさに歴戦の海賊王であり


イオリはこの世界に来て

初めての圧倒的敗北感を味わう事となった…



ジャックの言葉に魔王城への同行を決意した彼女は急いで出発の準備を進める事となり


既に準備を完了していたイオリは

船着き場にて明らかに落ち込んでいた。



イオリ『うぅ…元はと言えば丸投げしたアサミが悪いんだ…』


マヤ『落ち着いて…すぐに化けの皮が剥がれるから…』


ホルス『それはそれで問題だよ…僕達はこれから魔王の討伐に行くんだから…』



いつものメンバーのいつもの会話だが

どこか寂しげな雰囲気が漂っており


数分後…


船着き場にて登場したジャックの船は見事にその雰囲気を破壊した。



ジャック『待たせたな…これが新開発の海賊船…バルフート号だ!』


マヤ『絶対それ名前負けするやつだよね…』


ジャック『そいつは搭乗してからのお楽しみだ!ユキが到着したら出航するぜ!』



嫌な予感しかしない新型船

大きさは通常のキャラベル船と変わらなかったが明らかに怪しげなエンジンが搭載されており


5人を乗せた船が出航すると


新型船はドラゴンの飛行に匹敵する速度で大海原を爆走した。




カズマサ『いい眺めだぜ…ギルドのアイドルを名乗っているだけあるじゃないか…!』



場所は変わって魔王城の地下牢…


魔王によって抱えられたアサミは鉄格子の中で監禁される事なり


その騎士服は激しい暴行によってボロボロになっていた。



アサミ『う…うぅ…痛いよぉ…もう許してぇ…』


カズマサ『一騎討ちに敗北した罰だ…その身体…たっぷり堪能させて貰うぜ!!』



戦闘の負傷こそ回復魔法にて治療していたが

彼がアサミの服をボロボロにしたのは事実であり


傷ついた肌が破れた服から露出していた。



彼がその気になれば何をやっても許させる状態ではあったが

アサミは彼の良心に全てを賭けてある言葉を発する事に決め


その言葉が発せられたその瞬間


待機していた次期魔王の

最上位魔法が発動する事となった。



アサミ『もうやめてぇ…お腹に新しい生命が宿ってるんだよ!?』


カズマサ『え…?』


フィディオ『アウトですわ!失われた(ロストオブフュ)未来の氷結(ーチャーフリーズ)!!』



牢獄の中の2人は彼女の魔法によって空間ごと凍結され


アクエリアによって運ばれたカズマサはそのまま温泉へと投げ込まれた。



解凍されたアサミの前では親友が怒りの形相で鉄格子を破壊しており


NGワードを発した彼女に

涙ながらに抗議をしていた。



マリー『麻美!?どういうつもりなの!!?』


アサミ『私は女神だよ…貴女の身体に子供がいる事くらいわかるよ…』


マリー『そんな事を言ってるんじゃないわ!魔王様にそんな事を教えたのは何故!?』


アサミ『貴女のお腹に子供がいるのに…私を襲うなんて許せないよ…貴女だって嫌でしょ!?』



マリーの抗議に対して

あくまでも彼女の為だったと話すアサミ


生命を司る女神はブラドゥークの時点でマリーの妊娠と体調不良に気づいており

早々に一騎討ちを申し出たのも彼女の負担を減らす為だった。



マリー『貴女の気持ちは嬉しいわ…でも…今魔王様に心残りをつくるわけにはいかなかったのに…』


フィディオ『側近を孕むらせたせいで戦力が落ちて討伐された魔王…この事が知れ渡ったら珍魔王として歴史に名が残ってしまいますの…』


アサミ『それ…改めて聞くと酷いわね…スカウトした私まで風評被害を受けそうだよ…うん…』


マリー『魔王様は悪くないの…魔王様は私の罪を裁く為に…あぁ…』



マリーの擁護も虚しく2人に悪評が伝わってしまい


戻ってくるカズマサの気配を察したマリーはフィディオを魔法陣にて別の部屋へと消し飛ばし


アサミの両手をチェーンで縛りあげると彼女をそのまま吊し上げにした。



個人的な恨みが過半数を占めていたが


魔王の側近としては正しい行動であり

カズマサが牢獄に戻ってくると


そこには全身がズタズタにされた憧れの女神が無惨にも吊し上げにされていた。






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