4.王立学園科目
私がおずおずと手を差し出すと、にこにことしながらルークは握手をしました。
(ルークはヒロイン以外とも分け隔てなく女の子には優しくするんだったけ。というかなぜ私を夜明姫と呼ぶのだろう。彼は隣国の王子で私のことなんて知らないはず)
私がそんなことを考えていると、王子がさりげなく私とルークの間に入り握手をしていた手を引き離しました。私はそんな王子の行動を少し訝しげに思いながら「そういえば、レオ様はどの授業を選択されるのですか」と聞きました。
この学校は自身の扱う魔法の系統によって選択する授業が変わってきます。それは3つに分かれ、水の魔法を扱うのを得意とするのならば治水やそれに基づく地理学を専攻することとなります。風の魔法であれば、それこそ風車の回し方に船の動かし方、そして貿易学であり、火の魔法であれば料理や鉄の鍛え方並びに、金融学といった具合です。
ただしあくまでも共通項目がメインとなるので、選択科目に関しては付属のようなものでした。ちなみに共通項目は光魔法に属する治癒魔法及び、闇の魔法に属する呪術です。
「私は、火の魔法が得意だから主に金融学を選択するよ。君は?」王子は私はそう言いながら私の傍に腰掛けました。
私も王子が腰掛けたのを確認してから、もう一度ベンチに座ると「私は貿易学です。風の魔法が得意なものでして」と言いました。
「そうか、じゃあ銀狼と同じだな。なぁ」そう言って彼は、私たちの隣のベンチに腰掛けたギルもとい銀狼に話しかけました。
彼はチラリと私に目をやると、ぶっきらぼうな感じに頷きました。
(もしここに好感度を示すパラメーターが表示できたら、銀狼さんの中の私のパラメータって0どころかマイナスかな)なんて私はその時考えたのでした。
「そういえば、夜明姫は、転校生の女の子について知ってる?」少し会話が途切れたところで突然ルークが私に話しかけてきました。
(知ってるもなにも、本人よりもこれから本人に起こる出来事を知っているわ)私はそう言いたいところをぐっと我慢して、「さぁ、たいそう見目麗しい王女様だということは聞いているけれど」と言いながらチラリと王子の方を見ました。
さっきと同じバツが悪そうな表情に戻った彼は、「私も、外交などで他国に行くことはあるけれど中々詳しいことは知らなくてさ」なんてもごもごと言ったのでした。




