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フラグミス
こんなときの恋愛ゲームでのお決まりは、過去のどこかでフラグを間違えた場合。最後にあったのはマリがエレンの家を出る前。
「引き止めなかったから?」
いや、止めるタイミングがなかった。
エレンの部屋に移ったときは、どうか。とくに変わったことは言った覚えが無い。
「兄さんが今川焼き好きって言ったことだろうか。それとも、追い焼きがいけなかったのか?」
どうにも、直前には心当たりが無い。
「見舞いにいったほうがいいかな?」
僕は自分では決めかねて、エレンに相談した。両親にいっても何も考えずに行ったほうがいいといわれるだけだ。
「手土産は決まってるのか?」
何の回答も得られていない。こんな手ぶらで行っても、怒られるだけか。
「やつの願いを叶える自信がないなら行ってもしかたないだろ。」
気になるのは、マリがいつもの格好ではなく、女性として現れたことだ。小中学校でのことならもっと男の子っぽい服装をしていたに違いない。
「あれ?僕はあの時なんて言ったんだろう?」
ふと、山本の屋台であいつに聞かれたときのことが思い出された。
「迎えが、ずーとずーと来なかったら。」
そうか、ぼくは勘違いしていた。彼女には一緒に待ってくれる人が必要だったんじゃないんだ。
僕は決心した。そして、寮を出た。




