六桁の精度と十桁の精度
中谷宇吉郎「科学の方法」(1958年)はたいへん良い本だった。科学哲学の本である。科学は再現可能性のあるものを指していう。宇宙には再現不可能なものもたくさんあるが、再現可能なものだけを取り出して便利に使うことが科学である。
科学は測定である。測定の精度は六桁である。地球の丸さは六桁の精度で完全な円だといえる。原子の大きさも六桁の精度でしか計ることができない。六桁より詳しくなると、測る人によって数字がちがってくるからである。宇宙にあるものは、六桁の精度より精密なものは、同じものはめったに二つは存在しないと思われる。
科学とは、同じものがめったに存在しない中、六桁の精度で似たような再現可能性を持つものを指してそういっていたのである。
2026年現在では、科学は、QEDという原子、電子、光の理論が再現可能性十桁に到達している。物理学は、中谷宇吉郎「科学の方法」の1958年から68年で、精度を六桁から十桁に増やした。科学の進歩は目覚ましい。
現在では、科学とは、めったに同じものは存在しない中、十桁の精度で似たような再現可能性を持つものを指してそういっているのである。
追記。
QEDが六桁の精度から十桁の精度に向上したのは、主に電子の異常磁気モーメント(電子g―2)の測定と計算の進歩によるとchatGPTはいう。これは2008年頃に十桁の精度に達したといわれ出した。
一方、社会科学では、ひと桁や二桁の精度も持たず、未来予測は外れてばかりである。




