第一章「約束された災厄」第一話 始まり
数千年前....
神「この世界はもう...ここまでか...」
「終わりだ。権能に制限が掛かっている。いや、例え全力を振るえたとしてもこの世界の滅びは覆せない。」
大地は荒廃し、空は黒く染まり、街は戦火で埋め尽くされている
神はそれを見つめ、決断した
「星律を今ここで使うべきだ。『循環』を司る神として命も、文明も、星々でさえも巡り続かせなければいけないんだ」
神に付き従う者 「星律は宇宙の法則そのものを書き換える力。奇跡を起こすことはできます……ですが、その奇跡には必ず、それ以上の代償が伴います!」
神「ああ、分かっている。それでも俺は神としての責務を全うしなければならない。私以外の神々とも話し合った上での決断さ」
数時間前 全ての神が集う 「神議」にて
「時間」 ノルン「われらの権能は今、制限されてしまっています。もはやこの戦争に我々が介入し、決着をつけることは難しいでしょう。」
「終焉」 テルミヌス「それに、私たちは基本的には彼らの争いには不干渉主義です。」
「確かに文明は滅び循環は絶たれるでしょうが、まだ世界の「終焉」の時でもありません」
「とはいえこのまま放置してしまえば、本当に終焉はいずれ訪れるでしょうね...」
「循環」 ■■■■■■■「このままでは循環が絶たれてしまう。それを俺は見過ごせない。」
「たが権能も満足には使えない....やはり、未知の力であるあれを使うしかないだろうか?」
テルミヌス「....あれというとまさか星律か?君は、最大の禁忌を犯すのかい?」
循環 「ああ。宇宙そのものが失われれば、人々が未来を選ぶことすらできない。」
「自由意志を守るためには、未来がなければならないからね。もはや手段は残されていない」
テルミヌス 「いいだろう。その覚悟に敬意を示し、止めることはしない」
「どちらにせよ手段は残されていない」
「だがその決断は....世界を救うことにはなるが、同時に「循環」の神は終焉を迎えるだろう」
ノルン 「何言っているんですか!最大級の禁忌です!我々はこれを決して犯してはいけないんです!」
「仮に今を救えたとして、未来に災厄が降りかからないという保証はないんです!」
「宇宙の法則を書き換えるのは、我らの権能ですら及ばぬ奇跡です。それに伴う代償があります!」
循環 「……分かっている」
「神とは、秩序を守るために存在する」
「秩序が失われ、未来そのものが消えるというのなら」
「俺は、その責務を果たす」
「とね。全くひどいものさ。同僚として、仲間としてもうちょっと協力してくれてもいいのになぁ」
彼は悲しむような表情をしていた
しかし瞬く間にそれは鋭く決意したような表情に変わり、揺るがない強い意志が感じられる。
こうと決めた彼は、絶対に揺るがないのだと私は知っている。
強き志を持つ至高の神であると。
神に付き従う者「なら私も、貴方と共にその揺るぎない意志を支え続けます。私はあなたと共にあり、何があろうと、必ず傍にいますから」
神と従者は荒廃した世界を俯瞰し、星律は使用され世界は救われた。
そして、「循環」の神は消失した。
数千年前、世界を滅亡から救ったとされる一柱の神。
その神は伝承の中で「救世の神」と呼ばれ、やがて姿を消した。
その末裔とされる一族が、今もひっそりとその血を受け継いでいる。
それがアニマだった。
アニマ「最近の世間は物騒だねぇ~。巷では災厄の始まりだとか古い伝承にあるものだとかいわれているらしいよ」
レミエル「そんな他人事みたいに...君のご先祖はその伝承に伝わる神そのものなんだよ?」
アニマ「所詮はただの神話だよ。俺は少し身体能力が超越しているだけの一般人さ」
レミエル「人間離れした身体能力で周りをドン引きさせておいて、一般人だなんて無理があるよ!」
レミエルは昔からずっと一緒にいる相棒だ。こうしてツッコミを入れられる日々を過ごしている。
平和は続いた。
近頃、世界では不穏な出来事が相次いでいた。
天候がずっと不安定で嵐がかなりの頻度で起きたり
突如として空が赤く染まったり...
流れ星のように謎のエネルギー物質が降り注ぎ、それが落下した地点は荒廃したとも聞く
人々はそれを、「数千年前に救世の神が払った代償」
すなわち"災厄"の前兆だと噂していた
しかしアニマは全く危機感を感じていない。ノストラダムスの大予言のごとく眉唾物だろう
これらの異常は、特異な未解明の異常気象としても変ではない。
レミエル「あー!どーせ眉唾物だとか、ノストラダムスの大予言だとか思って信じてないんでしょ?その表情、ずっと見てきたから分かるよ!」
なんだ、こいつは人の心を読めるのか?たまに恐ろしいくらいに人の表情から考えていることを的確に当ててくるんだよなぁ....まぁ、昔から一緒にいたしそういうこともあるか。
アニマ「なんだか外が騒がしいな。また空が赤くなったとか?」
レミエル「ねぇアニマ、これはまじめにやばいかも....」
いつにない真剣な表情をする彼女に俺は驚く。
普段なら「大変だ!」と叫んでいても、どこか余裕があるような感じだが違った
焦りでも動揺でもなく、そこには、確信のようなものがあった。
またどうせ大げさに騒いでいるだけだろう....
そう思った。彼女の隣で、窓の外をこの目で見るまでは
そこに広がっていたのは.....




