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一寸法師ですが、王子すぎて困ります ~鬼王様と親しみやすさを研究中です~  作者: 月城琴晴


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第4話 部屋割りがおかしい

「そういえば、一寸。おじいさんとおばあさん元気?」


「元気すぎてびっくりする」


「今日も仕事だって言ってた」


「この前、一寸のじいさんTVに出てたよな」


 桃が言った。


「ああ」


 一寸は頷いた。


「時々出てるからな」


「時々って」


 桃は苦笑した。


「普通、じいさんはTVに出ないだろ」


「そうか?」


「そうだよ」


「うちのじいちゃんはよく出るぞ」


「それがおかしいんだって」


 一寸は首を傾げた。


「っていうか、この前TVで親しみ隊の宣伝してたぞ?」


「え?」


「鬼ヶ島の鬼王様と一緒に親しみ隊を孫がするんですって」


「おじいさん優しいよな」


「良かったな」


 桃は本当に嬉しそうな顔で言った。


「じいちゃん、宣伝してたの?!」


 俺は固まった。


「すぐに言うんだから」


「いいじゃん」


 桃は笑った。


「孫がかわいいんだよ」


「いや、そうかもしれないけどさ」


「TVで宣伝するか?」


「するんだろ」


 桃はあっさり言った。


「お前のじいさんって、TVで何か聞かれたらよく一寸の話してるぞ?」


「え?」


「出た! って思うし」


「親しみ隊の前はイケコミュの話だったぞ」


「一位の一寸をよろしく! って感じだった」


 桃はそう言って笑った。


「だから恥ずかしいんだよ」


 俺はため息をついた。


「孫自慢じゃないか」


「TVでやるか?」


「やるんだろ」


「中納言だし」


「その理屈はおかしい」


「そういえば」


 桃が思い出したように言った。


「全国一寸親衛隊のQRコードも出てたぞ」


「……は?」


 俺は固まった。


「TVの右下に」


「登録はこちらって」


「出てた」


「じいちゃん!!」


「増えたんじゃないか?」


 桃は普通に言った。


「増えたんじゃないかじゃない!」


「何でQRコード出すんだ!」


「応援してくれてるんだろ」


「応援の範囲を超えてる!」


 桃はさらに続けた。


「そういえば」


「何だ」


「親衛隊、前より増えてたぞ」


「……」


「やっぱり増えてるじゃないか!」


「良かったな」


 桃は笑った。


「良くない!」


 その時だった。


「あれ?」


 桃が資料を見ながら言った。


「そういえば……一寸って俺の部屋のすぐ下じゃないか?」


「え?」


「そこって三人部屋のところだよな?」


「間違ってるんじゃないか?」


 俺は首を傾げた。


 すると狼がやって来た。


「おい、聞いてくれ」


「どうした?」


「俺の部屋が一寸の下に変更になったっぽい」


「何が起きてるんだ?」


 狼は真剣な顔だった。


「鳥山と赤ずきんはそれぞれ二人部屋だ」


「それなら俺も二人部屋だろう」


 確かにそうだ。


「二人部屋の階は同じはずだ」


「横並びになっている」


 狼は資料を見ながら続ける。


「そして、その上が三人部屋」


「さらにその上がファミリー階だろう」


「そうだな」


 桃が頷いた。


「そのファミリー階に何故か俺がいる」


 狼は言った。


「まだ赤ずきんと俺は結婚してないぞ?」


「確かに」


「どういうことなんだ」


 さらに狼は資料を指差した。


「桃がファミリー階の一番上」


「そこはわかる」


「家族だし、センターだしな」


 桃は少し嬉しそうだった。


「次もファミリー部屋」


「何故か一寸」


「意味がわからない」


「俺もわからない」


 俺も頷いた。


「その下のファミリー部屋が俺」


 狼は遠い目をした。


「どういうことだ」


 三人で資料を見つめた。


 本当に意味がわからなかった。


「赤ずきんと結婚するかもって思ったんじゃないか?」


 桃が言った。


「それが一番ありえる」


 狼は真面目に頷いた。


「確かにな」


「事務所も一緒だし」


「マネージャーだしな」


「そういうことか」


 狼は納得したようだった。


「納得するな」


 俺は思わず突っ込んだ。


「まだ結婚してないんだろ?」


「してない」


「じゃあ違うだろ」


「でも候補ではある」


 狼は真顔だった。


「候補って何だ」


「将来の話だ」


「気が早い」


 桃は笑った。


「でも鬼王様ならそこまで考えてそうだよな」


「ありえる」


 狼は頷いた。


「鬼王様だし」


「その理屈もおかしい」


 とりあえず俺達は部屋へ向かった。


 俺はまだ知らなかった。


 ファミリー部屋に入れられた理由を。


読んでいただきありがとうございます。


今回は寮のお話でした。


高級マンションだと思ったら雷牙さんの物件だったり、親衛隊のQRコードがTVに出ていたり、相変わらず一寸の周囲は平和なのか平和じゃないのかわかりません。


そして気付けばファミリー部屋問題まで発生しました。


狼も桃も納得していませんが、どうやら鬼ヶ島には鬼ヶ島の事情があるようです。


次回は部屋の謎に迫ります。


一寸はまだ知りません。


自分がなぜファミリー部屋に入れられたのかを。


引き続きお楽しみいただけたら嬉しいです。


よろしくお願いいたします。

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