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18.次の素材採取へ

「えいっ!」

「キュッ!」


 剣を振るうと、剣先がキラーラビットに当たる。その一撃でキラーラビットは地面に転がり、痙攣し始めた。


「よし、素材還元!」


 そこで魔法を唱えると、キラーラビットが光りだす。その光が収束すると、その場には肉、魔石、牙、毛皮が残された。


「うむ、調子がいいな」

「はい、ノってきました」


 私の戦いぶりを見ていたシオンさんに褒められると嬉しくなる。現れた素材をアイテムボックスに入れると、剣を鞘にしまった。


「キラーラビットの素材も集まりましたね」

「まぁ、初心者の森でずっとウロウロしていたからな、集まるのも早いだろう」

「今度は違う場所に行きましょう。他の魔物の素材を入手したいです」

「新しいアイテムの素材だな。では、違う場所に移動するとしよう。さぁ、私に乗れ」


 黒ヒョウの姿をしたシオンさんが私の前に来ると、その背に跨り、シオンさんが走り出した。


「次はどんな素材を狙っているんだ?」

「特に決めていません。ですが、この周辺にいる魔物全てを素材化してみたいですね」


 まだまだ、この初心者の森には素材化出来る魔物がいる。それらを素材化しないで、他の場所になんかいけない。


 素材との出会いは新しいアイテムとの出会い。そこに新しいアイテムが出来る可能性があるなら、見逃したくない。


「むっ、あっちに魔物の気配がするな」

「本当ですか? 行きましょう」

「あぁ!」


 シオンさんが魔物の気配を察知してくれた。方向転換すると、森を駆け抜ける。すると、前方に魔物の姿が現れた。


 子供のように背の低い体型、緑色の肌、出っばった鼻と長い耳が特徴。


「あれは、ゴブリンだな」

「ゴブリン……。この異世界にもいたんですね」


 クラフトワールド・オンラインでもいた魔物だ。初心者相手の魔物として有名で、誰もが始めの頃に戦う魔物の代表格。


「うぅ……ゴブリンは苦手なんですよね。可愛くないから……」


 初心者の頃を思い出して胸が痛くなる。まだ、慣れていない頃に戦った魔物にはいい思い出がない。それに可愛くないから、その姿を見るだけで背筋が寒くなる。


「どうする? 戦うのはやめるか?」

「でも、どんな素材が出るのか気になります。……行きます、戦います」

「別に私が戦ってもいいんだぞ」

「いえ、そんな! 私の素材集めなのに、シオンさんの手を煩わせるわけには!」


 これは自分の素材採取だ。補佐をしてくれるシオンさんの手まで借りたら、なんでも頼ってしまうようになる。それだけはダメだ。


「大丈夫です。私、戦います」

「分かった。じゃあ、ゴブリンの前に行くぞ」


 シオンさんが駆けて行き、あっという間にゴブリンの前までやってきた。


「グギャーッ!」

「うぅ……この声も苦手……」


 ゴブリンは私達を見ると、すぐに声を上げて威嚇してくる。シオンさんの背から飛び降りた私は、ビクビクしながらも剣を抜いた。


「グギャーッ!」


 すると、すぐにゴブリンが襲い掛かってきた。素早いけれど、対処は出来る範囲だ。手に持ったナイフを振るってきた。それに合わせて剣を振り上げると、ナイフをゴブリンの腕ごと弾き飛ばす。


「はぁっ!」


 出来た、大きな隙。もう一度剣を振るうと、剣先はゴブリンの体を深く切り裂いた。


「ギャーッ!」


 その一撃でゴブリンは地面の上に倒れて、痛みでもがき苦しむ。その隙に――。


「素材還元!」


 魔法を唱えると、ゴブリンの体が光る。そして、光りが収束すると、その場には魔石とナイフが残された。


「うむ。危なげない戦いだったな」

「苦手だけど、なんとかなって良かったです」

「いや、圧倒的にヒナの方が強かったぞ。戦闘は苦手じゃなかったか?」

「一応、戦えるくらいには鍛えてますからね。だからと言って、得意ではありません」


 やっぱり、戦闘よりもクラフトをやっている方が好きだ。でも戦闘をしないと素材採取が出来ないから、必然的に戦闘も出来なくちゃならなかったから鍛える必要があったわけで。


 剣を鞘に収めると、素材の所に近づく。


「魔石とナイフ、か……」

「ふむ。素材と言うかアイテムが出てきたな」

「そうですね。これはゴブリンが使っていたものでしょうね」


 なるほど、素材還元と言いつつも魔物が所持しているアイテムが出てくる場合もあるのか。それにしても、出てきたのがナイフ……。


「これは素材とは言えないな。確認もしたし、違う魔物を狙うか?」

「……いえ、ちょっと待ってください。折角、入手したアイテムの可能性を考えたいです」


 このナイフ……状態は良くない。刃は所々欠けているし、持ち手の部分がボロボロだ。とてもじゃないが、このままだと売れない。


 でも、素材としてはしっかりしている。ちゃんとした鉄で出来ているし、持ち手の部分も取り換えれば問題ない。


 まだまだ、このアイテムは使える余地がある。このまま使えないからと言って売ってしまうのは、クラフターとして見過ごせない。


「このナイフを使えるようにします」

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