器と中身、師匠と弟子
師匠とゼロの激闘の後…
俺が王の間に着くと部屋全体が闇で覆われていて、俺はすぐに『世界破壊』を使って師匠の姿を探す…
「師匠!」
俺は倒れている師匠のそばまで走る
まず目にしたのは薄くなってほぼ透明になった四肢、それに師匠の辛そうな顔
「シン…」
師匠は俺にか細い声でそう言う
「師匠、喋るな…そうだ、急いでソウカに…」
俺は自分が何も出来ないことを歯がゆく思いながらも懸命に師匠を救うことだけを考える
「シン…よく聞け、この前…お前は知神の末裔だという話をしたと思う…。それにあっちの戦場で…器とも言われたと思う…。俺にはもう時間がない…だから…お前にはあのとき託された中身を渡そう」
師匠がそういうと力を振り絞るようにしてまだ薄く残っている腕で俺の胸を押さえて
「偉大なる…我らが神よ…器に宿りたまえ…」
師匠がそう言うと俺の心の中になにかが入ってきてそれと同時に師匠は俺の胸から手を離し、その腕は力無く倒れ、ついに消えてしまう
「師匠!!」
「シン…お前にはなにもしてやれなかった…これから先…なにかあっても…お前の中身がお前を導いてくれる…シン…ありがとう…」
師匠はそう言うと残っていた顔、身体はあとに何も残さず消え、ただ王の間に残ったのは俺……
(よーお。お前が俺様の新たな器か~)
俺の心の中に急に声が響く
(お前は誰だ??)
俺は俺の中にいる俺とは違う別のものに意識を向け、そう問う
(はっ、俺様はこの世界を作りし八柱の一人、破壊神だ!!)
俺の中にいる破壊神を名乗る男は鼻を鳴らし、元気よく叫ぶ
(??破壊神…?これが師匠から託された中身?)
俺は中身の正体を知り、心の中で驚く
(だから師匠はすぐにゼロに消されなかったのか)
俺は一つ疑問を解決しさらに心の中に意識を向けるともう一人いることに気がつく
(ん??まだ誰かいるのか?)
(お、早かったなあ。そろそろ出てこいや)
(やれやれ、私は君の茶番に付き合っていたというのに…)
俺の心の中にもう一人別の声が響き、呆れたような声でそう言う
(はあ、私はこの世界を作りし八柱の一人再生神、よろしく)
心の中にため息が響いたかと思うと、破壊神とは違い、やさしい中性的な声で再生神は俺に語りかける
(え??俺の中にもしかして世界を作りし神、原初神がお二人も…)
俺はすごい事実に気づいてとても驚く
(そりゃお前、何のために生まれたか知らないのか?俺様たちを宿してなお、その器にはとんでもなく余裕があんだろぉ、それこそ俺様の兄弟たちを宿せるほどのよぉ)
破壊神がそう言うと、俺は師匠が教えてくれた俺の家系を思い出す
(そうか…俺は知神の…)
そこで俺はあることに気がつく
(そういえば、王の間に来るまでにヴァルドが倒れていた。助けられるか?)
(ええ、私は再生神ですよ。魂や肉体の消失による死以外ならなんでも、私が再生しましょう)
その言葉を聞き俺はすぐに王の間を飛び出し、ヴァルドのもとへと急ぐ
一応ここまでで一章が終わります。少し短めですが、敵、味方の顔合わせ的な感じで次に続きます。これからも楽しんで頂けると嬉しいです(*^^*)




