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シン本紀  作者: 山族
第一章 誕生と成長と別れと
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ルド王国へ帰還、その裏で2

師匠の力を見せてくれ…by読者


バン!

と強く扉が開き、一人の男が広い王の間に堂々と入ってくる


中には大きな玉座に座るいかにも王だろう堂々とした男がいる


「ふむ、ヴァルドの上司もこれまた素晴らしいの。知ってか知らずかそなたは器(・)でもないのに中(・)身(・)を持っている。宝の持ち腐れというものだ」

ゼロは嘆かわしいというような風を装い、玉座に座る男、コールドにそう言う


「ヴァルドはどうしたのだ暗黒大帝よ」

コールドはゼロをキッと鋭き睨みそう問う


「ほう、我の正体を知っているのか?あの世界から逃れた?そんなはずはあるまいて…では世界が開く前に逃げた?時の協力でもなければありえぬだろう?」

ゼロは声を小さくしながら自問自答する


「余の問に答えよ!」

コールドは玉座から立ち上がり指をパチンと鳴らすと王の間の唯一の扉が閉じ、密閉空間を作り上げる


「ふむ、あの剣士、ヴァルドなら殺した!!〖万物消去《デリーション》〗」

コールドの怒りに同調するようにゼロも怒鳴りながらも魔法を発動し一段高い場所に立つコールドに攻撃する


「余にその魔法は聞かぬぞ?」

コールドは何もせずただ立っているだけだがその存在は世界から少しも消えることはない


「は?いくら中(・)身(・)があるとはいえそれは使えんはずだぞ」

ゼロは困惑するようにそう言う


「ふふふ、余の中(・)身(・)は別格ということよ」

コールドは笑いながらゼロにそう言う


「もしや我より…」


「【永久凍土《エターナルフローズン》】」

コールドは魔法を唱え、ゼロの手足を氷で固定する


「ぐおっ。おぬし、氷の魔法使いか。しかし、このような氷すぐに消せるぞ?〖万物消去《デリーション》〗」

一瞬後、ゼロは自らの手足を縛る氷を消し身体の自由を再び得る


「それで十分だ。この魔法は発動にほんの少した(・)め(・)が必要でなあ。【氷結世界《アイスワールド》】」

先程ゼロの手足を固定した氷の量とは比較できないほど氷が生じ、パキパキと視界が白く染まり、後には氷像が一体出来上がる



「ふう、15年前の仇はとりましたぞ国王陛下」

息を切らしながらコールドはそう言う


「ほう、お前は15年前の王国の者か。素晴らしいではないか」

ゼロの輪郭を象った氷像が消え、ゼロの笑い声が王の間に響く


(コールド、逃げろ!)


「〖暗黒世界《ブラックワールド》〗」

ゼロが魔法を唱えると白かった視界はだんだんと黒く染まっていき…


「っ!」


「どうだ、我が使うは古代魔法。古代魔法とは神の魔法である。すなわち、そなたが使う魔法など我にとっては痛くも痒くもない。そして、この世界は我が望むすべてを消すことができる。そなたの存在を少しずつ消してやろう。我はもう時間切れよ。さらば」

ゼロはくっくっくと笑い、自身が作りし闇の世界から消え、残ったのはコールドだけとなる


全力で闇の世界に抵抗するがだんだんとコールドの存在が末端から消えていき…


「『世界破壊《ワールドブレイク》』」

闇の世界は外にいる器(・)によって破壊され、コールドにまとわりつく闇が薄れていき、ついに外の世界へと帰ってくる


(シン…俺様はずっと貴様を待っていた…)

(私だよ)

主人公、やっと帰ってきた…


師匠は頑張って戦いました

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