【第21話】クラス別大会模擬戦②
司会のエラン先生の声が響き、開会式は話に聞いていた通り、本番と同じように始まった。
式が進んでいき、生徒代表の言葉のようなものが行われる。
「誓約の言上、生徒代表は壇上へ」
見覚えのある男が壇上に上がった。ローメルである。
いつの間に代表に選ばれてたんだ……。
「僕たちは正々堂々! 全力を尽くすことをここに誓う!」
その顔はどこか、もちろん自分が優勝するという自信に溢れている気がした。いや、気がしたわけではないだろう。ローメルなら間違いなくそう考えているだろう。
続いて、聖職者クラスによる開式のお祈りがあった。レイラは目立つ中心的な場所にいた。祈りの所作がとても様になっていて、中心にいるのも納得だった。
クラス別大会模擬戦最初のクラスはレンジャー。話に聞いていた通り、勝ち抜き戦などではなく、3回各々の的に矢を放ち、いかに中央に近いかの平均の精度で点数を出して競うようだ。
数人同時にやるようで、出番の生徒のパーティーメンバーが応援する声が聞こえる。
「お前なら優勝いけるぜーー!!」
「全部真ん中に当てちまえーー!!」
そんな声援が飛び交い、暫定の優勝者がどんどん入れ替わっていく。
そして、メティスの出番が来たようだ。パーティーメンバーとして応援しなくてはと思い、声を張る。
「メティスーー! いけーー!!」
声に反応してこっちを見たメティスと、一瞬目が合った。その一瞬で感じた。優勝するだろうと。
1発目は的のド真ん中に突き刺さった。会場が盛り上がる中、2本目はその1発目の矢に真っ直ぐ刺さって、矢を二つに裂いて、的のド真ん中に刺さった。
「おおおおお!!」
「ありえねえ!」
メティスの常人離れした技に一気に会場の熱が上がり、騒々しくなる。
当のメティスはその騒々しさを意に介さず、いつもの調子で3発目の矢を放った。その矢は残念なことに、矢1本分ほど中心から外れて刺さった。
会場はより盛り上がったのだが、メティスはどこか納得いってなさそうで、少し悔しそうである。
「優勝! メティス!」
優勝は明白であったが、正式に集計を終え、メティスの優勝が宣言された。
次のクラスは重装だった。重装は勝ち抜き戦、ここで初めて直接的な生徒同士の競い合いが見れるともあり、会場の熱気は依然冷めないどころか高まる一方だ。
「がんばれよ、スウェロ!」
「ああ、勝ってくるよ」
初戦、2回戦……順調に勝っていく。そして決勝戦も難なく勝ってしまった。
スウェロの優勝である。目立つような戦いではなく、堅実で攻撃の隙すら与えない戦い方、正直言うことがないほどには一方的であるのに静かな優勝だった。
「優勝! スウェロ!」
そうして、ひと段落する頃に、昼を告げる鐘が鳴った。




