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冒険者学園  作者: 荒川 悠
2年次
22/25

【第20話】クラス別大会模擬戦①

 今日は、クラス別模擬戦の日である。……遂に訪れたという感じだ。

 スウェロと学園に向かうと、既にメティスとローメル、レイラの姿があった。いち早くローメルがこちらに気付いて話しかけてきた。


「お! 遅いじゃないか~、アレン~」

「俺、結構早めに来たと思ったんだけどな……。一体いつから来てたんだ」

「んー、そうだな。僕は1時間くらい前に着いてたかな! メティスは少し前に来たばかりで、レイラは僕より早くに来て準備を手伝ってたな」

「聖職者のクラスは模擬戦を行わない代わりに、準備のお手伝いと開式の時にお祈りをするんです。何事もなく終われますようにって」

「そうだったのか」


 聖職者のクラスは模擬戦を行わないというのは知っていたが、事前準備と開式のお祈りは知らなかった。

 剣士は勝ち抜き戦で優勝者を決める。今日こそ入学のあの日受けた侮辱を、ガストンに倍にして返す時が来たのである。


「そういや、スウェロも勝ち抜き戦で戦うんだっけ」

「そうだな。まあ、アレンみたいに派手に戦う感じではないけどな」

「優勝、期待してるぜ」

「ああ、アレンこそな」

「もちろんだ!」


 スウェロは強い。友だからと言って忖度しているわけではなく、本当に強い。どんなミスをしたとしても、準決勝までは残るだろうという確信に近い予感がある。


「……アタシ達レンジャーはいかに的の真ん中に矢を当てれるかを競い合う」

「僕達魔術師はどれだけ威力が高くて、規模の大きな魔法を放てるかで競い合う!」


 特に聞いたわけではないが、メティスとローメルからも各クラスの模擬戦内容の説明が飛んできた。


「メティスとローメルはどんな調子だ」

「アタシは、普通。良くも悪くもいつも通り」


 いつも通りであるのなら、間違いなく優勝候補だろう。何度と見てきたが、メティスは弓の名人だ。静止した獲物に対してほぼ百発百中である。


「僕は絶好調かな! 今日の僕ならドラゴンでさえ一撃で倒せるさ!」


 ドラゴン、実在するかも定かではない強大なモンスター。並みの魔術師がそのようなことを言えば世迷いごとと受け止められておしまいだろう。しかし、ローメルに限っては、実現してしまいそうである。

 ローメルに関しては優勝候補というよりは、どうやったら負けるかが想像がつかない。いつもふざけているようでいて、規格外なのである。



 模擬戦に備えて準備運動をしていたら、スウェロが真剣な顔をして、話しかけてきた。


「おい、アレン。ガストンは今回出ないみたいだぞ」

「ほんとかよ。ガストンに圧勝して優勝するつもりだったのに……」

「どうやら、ガストンの祖父が亡くなったらしい。国に非常に貢献した方だったそうだが、生前の本人の意思で親族のみで葬式は執り行われるらしい」

「……そうか」


 ……始まる前から1つの目標を失ってしまった。

 少しの喪失感を抱いたが、それは大きな号砲でかき消された。クラス別模擬戦が始まったのである。

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