9 作業
翌日からの仕事は真面目にやったつもりだったが、やはり頭の中はゲーム製作で一杯である。やらなければならないことは沢山ある。
仕事も終わり帰宅。急いでノーパソを開く。夕べ書き上げたシナリオのファイルをタスクバーに置き、嬉し恥ずかしテキスト入力開始だ。しかし、実際入力してみると気付かなかった誤字、脱字がまあ出るわ出るわ。明らかにおかしい日本語や無駄な言い回しもあるし、ストーリーの整合性も取れてない。入力作業と同時進行で推敲、いや、ここではデバッグと呼ぼう。を、やる羽目になるとは思わなかった。もしかしなくても、自分はシナリオライターには向いてなかったのか?
それでも一応、仮ではあるがシナリオをラストまで入力しプレビューしてみる。
自分の書いたストーリーが画面に表示されると思わずにやけてしまう。そう、いま自分はゲームを作っているという充足感で満たされているのだ。画面はずっと学園の教室のままなので少々間抜けだが、これはこの後の作業だ。
とりあえず作品の全体像はできた。まだ修正箇所はいくつもあるが、それは他の作業のついでで直していけばいい。
ひと通りプレビューも終え、作業画面に戻る。と、ここでいい事を思いついた。BGMをつけよう! すでに落としたフリーの楽曲が何本もあるし、実際にゲームに使えそうな曲もある。あくまで仮だが、臨場感がぐっと上がるはずだ。
だが音楽入力画面では音楽が入らない。どうやらパソコンで聴くのに便利な形式のままでは使えないらしい。形式変換。エンコードが必要だ。だがそれも無問題。パソコンを手に入れた時期に買ってたパソコン誌が何冊かある。その雑誌には便利なフリーソフトが何本も付録として収録されていた。実は自分が使っているレタッチソフトもここから入手した。また、フリーゲームも何本か収録されていたので、こちらを目的に買ったと言ったほうが正確だろう。そのなかには音楽編集ソフトもあった。音楽のスキルは皆無なので使うことはないと思っていたが、まさかゲーム製作でお世話になるとは。
今までの経験則から最も高機能なソフトはあえて避け、目的の機能を備えた、軽めのソフトを使うことにする。エンコードはつつがなく完了。数曲入れて再びプレビュー。
やはり音楽が入るだけでゲームらしさが数段違う。場面転換に合わせて曲チェンジするだけでも感動ものだ。めちゃくちゃ楽しいじゃないか、ゲーム製作。フリーソフトがあればなんでもできる! と、カリスマプロレスラーばりに絶叫したい気分だ。だがこれで満足してはいけない。これはまだあくまで仮の曲だ。無断転用もマナー違反。もっと場面に合った、イケイケの曲を集めるのだ。それと背景。これもフリーで使用可能な素材があることはフリーゲームをサルのように遊んでいるので知ってる。サイト名だって頭の中に刷り込まれてるくらいだ。音楽と一緒に落す必要があるが、幸いメインとなる宇宙の画像は以前作ったものがあるのでそんなに数はいらないはずだ。次回の投稿作業は素材集めも一緒にしなければ。折りよくこの前まで書いてた短編小説も推敲の段に入ってる。俺天才!
それにしてもノベルの宿命とはいえ、なぜに同梱されてる背景画像は学園風景ばかりなのか。宇宙戦艦のブリッジとかエネルギー炉、ついでに屠畜場なんかも入れおいててくれれば手間がかからなかったのに。
「そんなもん使う奴なんかほとんどいねェからだよッ!」
仕事がなくて腐ってた原画家の自分がツッコミを入れてきた。うむ、ごもっとも。




