第6話 初めてのまち
第6話 初めてのまち
朝食を終えたあと、エリアスは机の上に一枚の紙を広げた。
「今日は町へ行こうと思います。」
「町……ですか?」
マリカの表情が少しだけ明るくなる。
異世界へ来てから、屋敷と森しか見ていない。
どんな場所なのか、少し気になっていた。
「食材も少なくなってきましたし、魔導具の材料も買い足したいんです。」
そう言って微笑む。
「もし良ければ、一緒に来ますか?」
「はい!」
思わず勢いよく返事をしてしまい、マリカは慌てて口を押さえた。
「……あ。」
恥ずかしそうに俯く姿に、エリアスはくすりと笑う。
「そんなに楽しみにしてもらえるとは思いませんでした。」
その穏やかな笑みに、マリカも少しだけ笑った。
◇ ◇ ◇
町へ向かう道中、マリカは目に映る景色すべてが新鮮だった。
石畳の道。
荷馬車。
空を飛ぶ小さな鳥によく似た魔物。
森を抜ける風は心地よく、思わず深呼吸する。
「きれい……。」
「この季節は過ごしやすいですから。」
エリアスは歩幅を合わせながらゆっくり歩いてくれる。
その気遣いが嬉しかった。
◇ ◇ ◇
町へ入ると、たくさんの人で賑わっていた。
露店には色鮮やかな果物や焼き菓子が並び、子どもたちが元気に走り回っている。
「すごい……。」
思わず立ち止まる。
どこを見ても活気にあふれていて、自然と笑みがこぼれた




