第32話 守護の刻印
第32話 守護の刻印
地下保管庫に張り詰めた空気が流れる。
黒い魔石を埋め込んだ杖を構える男。
その前に立ち、マリカをかばうエリアス。
「最後にもう一度だけ言います。」
エリアスの声は静かだった。
「その魔導具を置いてください。」
「断る。」
男は迷いなく魔力を杖へ流し込む。
黒い光が地下室を満たした。
「私の研究も、お前の才能も、その女の力も……!」
男は叫ぶ。
「すべて私のものだ!」
◇ ◇ ◇
黒い光が一直線にエリアスへ放たれる。
「危ない!」
マリカが叫ぶ。
エリアスは防御魔法を展開した。
しかし、黒い光は防御を削るように押し続ける。
石畳が軋み、地下室が震えた。
このままでは、防御が破られる。
その瞬間だった。
『刻印対象への危険を確認』
『守護機能 解放』
頭の中へ澄んだ声が響く。
左手の腕輪が、眩いほどの光を放った。
◇ ◇ ◇
「え……?」
マリカの足元から、淡い銀色の光が広がる。
それは糸のように伸び、まっすぐエリアスへ繋がった。
次の瞬間、その光は二人を包み込む透明な結界へと変わる。
ガァンッ!
黒い光が結界へ激突する。
しかし結界は揺らぐことなく、静かに攻撃を受け止めた。
「なに……!?」
男が目を見開く。
結界はただ防いだだけではなかった。
受け止めた黒い魔力をゆっくりと押し返し始めたのだ。
「馬鹿な……!」
男はさらに魔力を注ぎ込む。
しかし結界はびくともしない。
むしろ、銀色の光は少しずつ強くなっていく。
◇ ◇ ◇
マリカの頭の中へ、




