第21話 見えない繋がり
第21話 見えない繋がり
エリアスへ《刻印》を施した翌朝。
マリカはいつもどおり朝食の支度をしていた。
昨夜の出来事が夢だったのではないかと思うほど、何も変わらない朝。
腕輪も普段と変わらず静かに光を反射している。
(本当に刻印したんだよね……。)
そう思いながら左手へ触れる。
何か特別な力を使った実感は、まだなかった。
◇ ◇ ◇
「今日は王宮へ行ってきます。」
朝食を終えると、エリアスが鞄を手に立ち上がった。
「新しい魔導具の打ち合わせがあるんです。」
「お気を付けて。」
「夕方には戻ります。」
穏やかな笑顔を残し、屋敷を出ていく。
その姿を見送ったマリカは、小さく手を振った。
◇ ◇ ◇
昼過ぎ。
庭の薬草へ水をやっていた時だった。
突然、頭の中へ一つの景色が流れ込んできた。
「え……?」
石畳の廊下。
赤い絨毯。
大きな窓から差し込む光。
一瞬だけ見えたその景色は、すぐに消えてしまう。
同時に、胸の奥で小さな温もりを感じた。
(今のは……。)
見覚えはない。
けれど、どこかで見たことがあるような。
少し考えて、マリカは気付く。
「王宮……?」
先日訪れた廊下によく似ていた。
まさか。
《刻印》の力なのだろうか。
◇ ◇ ◇
一方その頃。
王宮では、エリアスが技術局の会議を終えようとしていた。
「では、この設計で進めましょう。」
「異論ありません。」
話がまとまり、席を立つ。
その時。
ふと、胸の奥がじんわりと温かくなった。
「……?」
一瞬だけ立ち止まる。
不思議な感覚だった。
疲れが和らぐような、安心するような。
「エリアス殿?」
同席していた技術者が声をかける。
「ああ、失礼しました。」
気のせいだろう。
そう思い直し、歩き出した。
◇ ◇ ◇
夕方。
「ただいま戻りました。」
いつもの穏やかな声が玄関へ響く。
「おかえりなさい!」
マリカが笑顔で迎える。
「今日はどうでしたか?」
「予定より早く終わりました。」
「よかったです。」
二人は




