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第19話 初めてのお願い

第19話 初めてのお願い


 王都から戻って数日。


 屋敷には、いつもの穏やかな時間が流れていた。


 マリカは工房で棚を整理し、エリアスは作業台に向かって設計図を描いている。


 カリカリ、とペンの音だけが静かに響く。


 その落ち着いた空気が、マリカは好きだった。


◇ ◇ ◇


「マリカ。」


 作業の手を止めたエリアスが顔を上げる。


「はい。」


「一つ、お願いをしてもいいですか。」


「もちろんです。」


 即座に頷くと、エリアスは少しだけ申し訳なさそうに笑った。


「明日、隣町へ素材の受け取りに行かなければならないんです。」


「はい。」


「少し荷物が多くなりそうなので、一緒に来てもらえますか?」


 その言葉に、マリカは目を瞬かせた。


 助手としてではなく。


 "一緒に来てほしい"と頼まれた。


 そのことが少し嬉しかった。


「私でお役に立てるなら、ぜひ。」


「ありがとうございます。」


 エリアスは安心したように微笑む。


◇ ◇ ◇


 翌日。


 二人は朝早く屋敷を出発した。


 隣町までは馬車で一時間ほど。


 窓から見える景色は、王都とは違い、のどかな畑や森が続いている。


「この辺りには良質な魔石が採れる鉱山があるんです。」


 エリアスが景色を眺めながら説明する。


「だから魔導具の素材も集まりやすいんですね。」


「そうなんですね。」


 マ

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