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第16話 見えない悪意

第16話 見えない悪意


 実演会が始まるまで、あとわずか。


 会場では王宮の関係者や魔導具師たちが、それぞれ談笑しながら展示品を見て回っていた。


 マリカも邪魔にならないよう、静かに展示台を眺める。


 精巧に作られた魔導具は、どれも初めて見るものばかりだった。


 その時だった。


 左手の腕輪が、再びじんわりと温かくなる。


「……また。」


 思わず腕輪へ触れる。


 同時に胸の奥も、小さくざわついた。


 昨日まで感じた胸騒ぎとは違う。


 もっと小さく、それでいて何かを知らせるような不思議な感覚だった。


◇ ◇ ◇


 一方その頃。


 実演会の準備をしていた係員の一人が、展示台へ近付く。


 誰にも気付かれないよう周囲を見回すと、小さな魔石を取り出した。


「これで……。」


 その魔石を展示用魔導具の裏側へ取り付けようとした、その瞬間。


「お待ちください。」


 穏やかな声が響いた。


 係員は驚いて振り返る。


 そこには、エリアスが立っていた。


「その魔石は、実演用のものではありませんね。」


「な、何のことですか。」


 係員は慌てて手を引っ込める。


 しかしエリアスは落ち着いた表情のまま、展示台へ近付いた。


「魔力の波長が違います。」


 静かに魔石を手に取り、確認する。


「もしこれを取り付けて実演すれば、魔力が暴走する危険があります。」


 会場がざわめいた。


「暴走……?」


「そんなことが。」


 周囲の魔導具師たちも驚きを隠せない。


 係員は青ざめた顔で首を振った。


「ち、違います! 私は言われたとおりに……!」


 その言葉を口にした瞬間、自分で失言に気付き、慌てて口を押さえた。


 エリアスは静かに問いかける。


「誰に頼まれたのですか。」


 しかし係員は俯いたまま答えない。


 やがて駆け付けた騎士たちに保護され、別室へ連れて行かれた。


◇ ◇ ◇


 騒ぎが落ち着き始めた頃。


 エリアスはマリカのもとへ戻ってきた。


「驚かせてしまいましたね。」


「い、いえ……。」


 マリカはまだ胸がどきどきしていた。


「大丈夫でしたか?」


「はい。」


 そう答えたものの、気になっていたことを思い切って口にする。


「あの……。」


「はい。」


「さっき、その……。」


 腕輪へ視線を落とす。


「少しだけ温かくなった気がしたんです。」


 エリアスは少し驚いたように目を瞬かせた。


「温かく?」


「はい。でも、すぐに元に戻ってしまって……。」


 少し考え込んだあと、エリアスは優しく微笑んだ。


「魔導具にも、周

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