エアーなら居るだろ
女神は嬉しそうに
「このナラン君は、リースちゃん一筋で他の子に手を出してないわ!」
サナーは呆然とした顔で
「わっ、私とも子供の頃からやってないのか?嘘だろ?そんなナランが本当に存在するというのか?」
流石に慌てて
「お前と子供の頃からやってるとか、どんな性欲モンスターだよ……あるわけないだろ」
サナーは真っ赤な顔になり隠れるように風呂に浸かってしまった。俺は女神を手招きして風呂から離れる。
すぐに小声で
「あの……こんな世界嫌です。俺が女に手を出しまくり、婚約しまくってるとか」
女神は両目を輝かせ
「そうよね!じゃあナラン君!元の世界に戻りたいって本気で祈って貰える?」
「戻って良いんですか?祈ったら戻れる?」
「うん」
女神にしてはアッサリしていると思いながら目を閉じて深呼吸すると、元の世界に戻りたい……強く念じた。辺りの空気が変わる。
ザバッ!という音がして背後から
「ナラン!来てくれたんだ!」
風呂に入っていたサナーがまた立ち上がった。明らかに久しぶりに俺を見た感じだ。横の女神に
「戻ってます?」
「戻ったわ。1人を除いてね」
「もしかして……エアーさんが……」
女神は上機嫌に頷くと
「さっきの世界に封印した。こっちの世界のエアーちゃんは消えたわ」
なんてことだ……呆然としているとサナーが
「一緒にお風呂入ろう!」
そう言ってきた。
上機嫌の女神に見つめられながらサナーと並んで風呂に浸かる。どうしても気になったので
「エアーさんはどうなるんですか?」
「向こうの世界の女好きのナラン君の第二嫁として生きていくのよ」
サナーが不思議そうに
「エアーって誰だ?」
とか言っているのが余計怖い。どうなってるんだこの世界は……。
「なんでエアーさんを封印したんですか……それにこっちでエアーさんがやったことは……」
「……正直に言うと、シーネちゃんが利用していて邪魔だったからよ。なのでこの世界から退場して貰った。ナラン君を連れて行ったのは、あなたが2回程自力で時空改変してるからよ。連れて行って正解だった」
女神は真顔でそう言うと立ち上がり、更に
「エアーちゃんが居た穴は別の人物が埋めてるからね」
怖いことを言って消えた。あの邪神やべえとは思っていたが、俺が思う1000倍はヤバかったようだ。エアーを消してしまった。
サナーと黙って風呂に入っていると
「女神、また変なことしたのか?」
「そうだな……お前は覚えてないと思うけど、エアーさんっていう人が」
「エアー?エアーなら居るだろ?」
「……えっ?」
俺が驚いていると、自宅の勝手口から先程と全く同じ姿のエアーが出てきて
「ナラン!冒険してきた!変な世界だったからナランもどきも含めて全員倒して来たぞ!面白かった!」
嬉しそうに言ってくる。どうなってんだ……一体何が起こってるんだ……。




