パーフェクトネトラレ
応接間には半分しか身体がない半透明なドレス姿のアン王女が座っていた。俺達が入ってきても気付かず
「はあ……聖者修行をダブルミーに任せてゆっくりできるのは良いのですが……」
などと喋っている。女神はアン王女のテーブル越しの席に俺たちを座らせ、自らもその横に座った。
「聖者修行を続けた場合のアン王女です!ダブルミーに任せて一旦帰宅してるのね!」
嬉しそうに解説する邪神に何となくムカつきながら
「で、何やるんですか……」
女神はあっさりと
「エアーちゃん、サナーちゃんと聖者交代しない?」
とんでもないことを言ってきた。
いやいやいや、また変えるんですか……もう良いでしょ……聖者を何だと思ってるんですか……呆れ果てながら俺が文句を言おうとするより前に
「やる!やりたい!」
エアーが青い両眼を煌めかせて言ってしまった。女神はニッコリ微笑み
「じゃあ、あなたが聖者になった場合の状態を説明するね」
時間をかけて、もう移送と修行前半は終わっているが、入れ替わった場合全てエアーがやったことになるということと、これから3年聖者島で一糸まとわぬ状態での修行が続くがダブルミーが身代わりになるので自由に出入り可能だと女神が説明すると
「楽しそう!やる!やらせてくれ!」
女神は微笑むと、スッと立ち上がり
「ありがとうね。入れ替えたわ」
そう言って消える。同時にエアーもその場から消え、目の前のアン王女がいつの間にか実体を持って俺を見つめていた。また女神が何かヤベーことをしたようだ……。
即座に立ち上がって帰ろうとするとアン王女は頬を染め
「ナラン様、式の日取りですが……」
「あ、後で良いですか?」
何か聞こえたが、そろそろサナーと会いに行かねばならない。アン王女はニッコリ笑って
「そんな、敬語などやめてください。私はあなたの3番目の妻になるのですから……」
何か変なこと言ってきた。とりあえず
「アン、俺は帰るぞ」
強気に出てみると、あっさり
「はい。素敵なナラン様……」
ウットリした目で見つめられ、アッサリと屋敷から出られた。こ、これは何かおかしいぞ……焦りながら自宅へと駆けていく。
自宅裏庭の風呂にはサナーが浸かっていた。俺の顔を見るとザバッと音をさせて立ち上がり怒った顔で
「おい!私は何回ナランを寝取られたら良いんだ!!」
よくわからないことを喚いてくる。
「ネトラレ?何を言っているんだ?」
サナーは両手を振り回し
「リースとやりまくって婚約して!エアーとやりまくって婚約して!アン王女ともやりまくって婚約して!3回もパーフェクトネトラレ喰らってるぞ!しかも3件とも鼻血が出るくらい見させられてる!私は一体お前のなんなんだよ!もはやネトラレが気持ちよくなってきてるだろ!」
俺が唖然としているとしたり顔のスクール水着姿の女神が横から現れ
「大丈夫よ!このナラン君は何も知らないから!」
何が大丈夫なのか分からないフォローをしてきた。あとパーフェクトネトラレってなんなんだよ……分からないぞ……。




