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冴えない俺が、何でも教えてくれる魔法を手に入れたけど……  作者: 弐屋 丑二
高位存在による介入の損失計算と立て直し

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ようこそ!幽霊屋敷へ!

 というわけで女神を背中に乗せ、教国からウィズ王国へと飛んで行っている。

「自分で行ったらどうですか?」

「風を感じるのも大事よ!乗るしかない!このビッグウインドウに!」

女神は俺の背中に立ち

「うおー!愛してるぞー!」

そう言った直後に強風に吹かれ、下の遺跡跡ヘと落下していった。もはや意味が分からないので無視して俺は王国の自宅を目指す。


 一時間もかからず、廃墟群に到着する。前に帰ったのが何日前か覚えていない。目立つアン王女の屋敷目指して飛んでいく。アン王女も女神に赦されて聖者修行がなくなったのは良いが、結局、屋敷は残ったままだ。サーガ共和国ですごろくやったとこまでは事実が修整されてないからな……。まあいいや。自宅前に着地すると直後にシスター服姿の女神が横に現れて

「まだ早い!二時間早い!サナーちゃんがお風呂に入ってから!」

そうわめきながら俺の手を引き、アン王女の屋敷へと引っ張っていく。


 自宅から左にノヴェナ姉妹宅、アン王女の屋敷の並び順だ。アン王女の屋敷の門は女神が押すと開き、人けのない敷地内に俺は連れ込まれていく。閑散とした広い庭を通り過ぎ、屋敷の扉も女神が押すとあっさり開いた。

「良いんですか?」

「女神だからね!フリーパスですよ」

それダメだろ……何言ってんだこの邪神と思いながらもとにかく付いていくと、屋敷内は半透明なメイドや執事たちが歩きまわっていた。女神はニヤリと笑うと

「特異点が出来上がったわ。アン王女をシーネちゃんが弄ったサナーちゃんと置き換えたからね。この空間に矛盾が発生して、存在しない未来が進行してる」

何言ってるか分からないが、何かしようとしているのは流石に分かる。

「……何をするつもりですか……」

女神は顔面が真っ黒に見える様な邪悪な笑みを浮べるながら

「エアーちゃんをここに連れて来なさい。待ってるから。気配の消失を使って音でも出して興味を引くと良いわ。真っ当に連れてこようとすると時間かかるから」

俺にそう言った。


 気配の消失スキルを付けて自宅へと戻っていく。扉を開けて入ると、茶色の下着姿のエアーがリビングのソファで脚を放り出し寝ながら、分厚い王国の地図を読んでいた。

「んあー……そうかあ……この城を落とせば、王都への道は防衛力を失うなあ……でも待てよ……飛行船団の無力化が必要か」

などと不穏なことを言っている。試しに肩を叩くと飛び起きて

「ひゃああ!何だ!?」

辺りを見回し始めた。壁を叩きながら入り口から出ていくとエアーは怪訝な顔をしながら付いて来た。


 家の庭木の枝を一本折って「ザザザ」と道を引きずっていくと、エアーは冷静な顔で

「気配の消失……?女神か、ナランか?」

バレたので俺はリブラーに命じてスキルを消す。エアーはホッとした顔で

「大天使様が何をしてるんだ?サナーから聞いたぞ、お前忙しいんだよな?」

近づいて来た。エアーに

「女神がアン王女の屋敷で呼んでますよ」

エアーは一瞬考え、すぐにニカッと笑い

「行く!」

と言った。


 屋敷内へとエアーを連れていくと、メイド服姿の女神が

「ようこそ!幽霊屋敷へ!」

エアーは半透明なメイド達に全く動じず

「以前もあたしはこう言うの見たことがある。時間?が壊れてるんだろ?」

「その通り!どうぞこちらへ」

女神は俺達を応接間へといざなって行く。

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