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冴えない俺が、何でも教えてくれる魔法を手に入れたけど……  作者: 弐屋 丑二
高位存在による介入の損失計算と立て直し

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ついてくるんですけど

 俺は扉を舐めているのだが、味は全く感じない、しかし

「開けろ!もう逮捕する!絶対に逮捕してみせる!逮捕するんだからあ!」

おかしなことをわめきながら男が扉を叩く振動は強く感じていた。後方でローウェルの声が

「無理してモンクを操ってるな。この部屋を注視しなければ良いだけなのにな」

ソバメンの声も

「メンタル弱いからね。早くもギブアップ寸前よ」

シュマリアの声が

「……確かに聖書での女神様は、勢いでいかないとやってられない……的なものは感じますね……」

ソバメンの声が

「アレで高次元人だからね。自分のやった未来と過去が一斉に見えるとしたら、恥ずかしい場面ばかりなんじゃない?毎回顔真っ赤にして時空を行き来してそう」

扉の向こうの男の声が

「逮捕するううう………するーんだからあ……逮捕お……逮捕させてよお……」

次第に弱々しくなっていく。


 更に女神のファッションセンスや言葉の選び方まで延々と批判が続くと、完全に扉の向こうの男は沈黙し五分程するとポツリと裏声で

「かえりゅ……もう、かえりゅからあ」

と言って去っていった。ソバメンがガッツポーズしながら

「勝った」

と言ったのと同時に、俺の身体のコントロールが戻り、そそくさと脱ぎ捨てた服を着に行く。


 ローウェルが大きく息を吐くと

「もう大丈夫だ。女神はトラウマでこの時間に居る俺達を観られない。とりあえずジン・スカイストリートに連れて行くぞ」

立ち上がり、いやらしい笑みを浮べるながら背中におぶさったソバメンの全身に、黒い布をかけると、扉を開け、素早く出ていった。俺とシュマリアも慌てて追っていく。


 あっさり聖塔の裏口から出られ拍子抜けしていると、シュマリアが

「箒を取ってきます。先に行ってください」

そう言って去って行った。ローウェルは黙って俺を見てくる。周囲に人けもなさそうなので天子の翼を出し、ローウェルの手を握り夜明け前の聖塔沿いに一気に飛び立つ。


 ジン・スカイストリート目指し、一直線に上昇して行くと、上空から五つの黒い塊が降って来ているのが分かる。手を繋いでいるローウェルが見上げながら

「混沌粒子反作用弾かよ……女神マジでイカれてんな」

布からソバメンが顔を出し嬉しそうに

「四つはダミーよ!いくら空とはいえ、五つ同時炸裂は時空が歪むわ!」

大声で教えてくる。俺はよくわからないがヤバそうなので

「リブラー」

と唱えた。いつもの声が


 この状況を突破するのは簡単です。速度を上げ無視をしましょう。女神は教都を破壊することはできません。空へバリアを張り、必ず守ります。爆発自体をさせないかもしれません。


 ローウェルに

「リブラーが無視しろって」

「デコイ撒いとくわ」

ローウェルは握っていない左手の人差し指に

「ふっ」と息を吹きかける。直後にローウェルや俺に似たいい加減な造りの人形が、大量に空へばら撒かれた。俺達は、幅十メートル程の丸みを帯びた縦長のボディに翼が付いた五つの落ちていく鉄塊とすれ違い。何事もなく、ジン・スカイストリートの端にたどり着いた。


 あっさりと、どうにかなったので拍子抜けしていると、下からシュマリアが先ほどの黒い鉄塊を五つ全て引き連れて箒に乗って高速で上がって来て

「こ、これ!ついてくるんですけど!」

俺達に近づいてきた直後、全ての鉄塊が大爆発してそこら中が、白い閃光に包まれる。

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