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冴えない俺が、何でも教えてくれる魔法を手に入れたけど……  作者: 弐屋 丑二
高位存在による介入の損失計算と立て直し

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人類の悲願

アンジェラからマリオンヌのもぐもぐについて聞いたミヤは絶句して俺を見てくる。頼むから本当に、見ないで欲しい……。俺がアンジェラを見ると、アンジェラはマリオンヌを見て、マリオンヌはスライム顔でニッと笑ってミヤを見て、見られたミヤが俺を見て、俺がアンジェラを見る……のループが起こって、堪えきれなくなった俺が

「いや流石にミヤはダメだと思いますけど……」

マリオンヌにそう言うと大きなスライム顔を顰められ

「この子、すげえ面白そうじゃん。中身を見てみたい」

「ダメだ」

大天使セイが突然現れ

「マリオンヌ、諦めろ」

マリオンヌは大きくため息を吐くと、近くの側溝へと流れて消えて行った。アンジェラはセイに

「助かったわ」

「気にするな。ナラン、上層だけ案内しろ」

セイはそう言うと消えた。ミヤはしばらく呆気に取られていたが、すぐに気を取り直し

「ナラン!廃墟を撮影していい!?」

「う、うん……行こうか」

俺はアンジェラと共にミヤを案内することになる。


 石造りの街灯が等間隔で明るく照らしている大通りを歩いて行く。ミヤは足元の石畳や左右の石造りの建物に忙しなく携帯端末を向け

「どこも全然割れてないね。綺麗なままだ」

アンジェラが涼しげな顔で

「暗黒地帯に閉じ込められていた時、ヘコムが整備させていたからよ」

「なるほどー!姉貴流石だなあ」

ミヤはいい加減な返しをしながら、各所に携帯端末を向け続ける。


 中央の城の瓦礫に差し掛かり、アンジェラがミヤに説明し始めたので俺が少し離れると、スクール水着姿の女神が横に出現した。

「うむ。ガイドの仕事おつかれ!」

「もう宿に帰って良いですかね?」

「そうね。後はやっとくわ。サナーちゃん休憩室に戻ってるわ。あ、そうだ。沢山頑張ってくれたナラン君に!」

女神は真っ黒な藁人形を2体渡してくる。長さ二十センチ程度の辛うじて人型だと分かるいい加減な造りの藁人形を左右の手に持ち、見比べながら

「なんですか……これ……」

「聖書で最も羨ましがられる神聖アイテムですよ!もうすっごい便利!人類の悲願よ!」

「絶対嘘でしょ……」

女神はニヤリと笑うと

「2人の頭に乗せてみてね!」

そう言って消えた。


 とりあえず汚い藁人形を懐に突っ込み、瓦礫の撮影に夢中なミヤの横で、振り返ってきたアンジェラに手を振って、声を出さずに口の形で

「帰ります。女神様があとやリます」

そう告げるとニコリと笑って手を振り返してくれた。少し離れて天使の翼を出し、広大な空中都市を横にしばらく飛んだ後、教都へと一気に降下していく。


 聖塔の裏口付近に降下する。そして聖塔内へ入り、休憩室へと上がって行く。妙に人けがないのはきっと女神のサービスだろうと思いながら扉を開けると、何も着ていないサナーが床に大の字になって寝転んでいた。リースは相変わらず跪き両目を瞑って祈っている。


 サナーは俺を見ると飛び起きて

「ナラン!もう限界だ!何処かへ連れ去ってくれ!」

涙目で縋りついてきた。

「……検査されたのか」

「クソ教徒共ひどいんだよ……ケツの中まで広げて見られた……」

「同情するけど、聖者なんだから我慢しろよ……」

「ナランも聖者スキルあるだろ!そもそも私、アン王女の代わりにいつの間にか聖者儀式させられてるんだが!」

ふと思い出したので、懐から雑な造りの黒藁人形を出して

「何か、頭に乗せろって……女神様が」

サナーは俺の腕から藁人形を分捕ると

「バカにしやがって!やってやるよ!」

激怒しながら自らの頭に乗せた。次の瞬間、サナーの身体を虹色の光が包み込み、身体が二つに分裂した。

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