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冴えない俺が、何でも教えてくれる魔法を手に入れたけど……  作者: 弐屋 丑二
高位存在による介入の損失計算と立て直し

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305/329

撮影

 ミヤは、一糸まとわぬまま跪いて祈り続けるリースを見て

「……ずっと思ってたけど、恥ずかしくないのかな?」

そう言いながら携帯端末を向けようとして姉のアンジェラから手で遮られる。

「ミヤちゃん、ダメよ。他文化の神聖な聖者の儀式なの。人間達を尊重するのも我らヒトの役目よ?」

ミヤは慌てて俺を見て

「ごめん。私、調子に乗ってた」

「気にしないで良いよ。リースも慣れてきてるみたいだし」

そんなことを女神に言われていた。……もはや俺のことしか考えて居ないとも……。何となくリースの顔や身体が赤くなった気がするが、きっと気のせいだろう。


 俺は立ち上がると

「行きましょうか」

2人に声をかける。姉妹はサッと立ち上がり目深にベールを被った。聖塔から出て俺は、そうか、真夜中だったなとようやく気付く。不思議とエアーのカプセルを受け止めた時も暗さを感じなかった。ジン・スカイストリートや教都は夜も明るいので分かるが、海上は真っ暗なはずだよな。女神の力か?そんなことを考えながら聖塔からかなり離れた路地まで歩き、飛び立とうと天使の翼を背中から出すとミヤが素早く背後に回り込み携帯端末を向けながら

「ナラン!もう一回お願い!翼出すヤツ!」

俺は翼を引っ込めて、また背中から出す。

「すごーい!服破らないんだ!」

アンジェラが長い腕を組み

「我らが使う翼と同じ、混沌粒子の形成した半物質ね。質量のある幻の様なものよ」

「おおっ!写真も撮っとこ!」

背後から「パシャパシャ」と言う機械音とフラッシュが連発され始めた。


 ミヤが満足するまで待ち、俺はゆっくり夜空ヘと飛び立つ、真っ黒な翼を生やしたアンジェラに抱きかかえられたミヤも続く。興奮した声で

「おおー!これはバズる!」

などと言っているので教都に携帯端末を向けているようだ。俺は構わずひたすら飛び続け、そしてライトアップされたジン・スカイストリートの端へと着地した。続けて姉妹も横に着地するとアンジェラがミヤを降ろしながら

「変わってないわね」

ミヤは興奮冷めやらぬ感じで周囲に携帯端末を向け

「うひゃー!もうバズる!絶対バズるって!みなさーん!ここがジン・スカイストリートですよー!空中に浮かぶ超巨大廃墟!下半分の巨大下水道は半透明!凄い!綺麗!ヤバい!」

などと言っていると目の前の足元からにじみ出てきたマリオンヌの大きなスライムボディに驚いて

「ひゃあああ!」

悲鳴を上げながらアンジェラの背中に隠れるが携帯端末はしっかりマリオンヌに向けている。マリオンヌはニヤニヤしながら

「アンジェラさん、提案なんだけど、下水道のジェットコースターとかも撮影許可与えるから、その子、もぐもぐしたい」

アンジェラは困った顔で

「それはどうかなあ。ミヤちゃんに内容を話して同意が取れたらね」

俺を見てくる。頼むからこっちを見ないで欲しい。

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