素晴らしい
次に目を開けると、球体の近くに立っていて、目の前にはマリオンヌと共に満面の笑みの女神が並んで立っていた。
「素晴らしい!」
何度も肩を強めに叩かれ褒められる。
「何処がですか?」
女神は俺の手を握り、階段を登りながら
「ビッグニャンニャンは差別主義者なのよ。バケネコ族を心の底から見下してるわけ」
「いや、でもバケネコ族のフタバさんを……」
女神は階段の途中で立ち止まると振り返り
「そう!根っからの差別主義者だから、バケネコ族の愛を利用するのも躊躇ないのよねえ!くー!ビッグニャンニャン良いわあ」
「何が良いんですか……」
呆れながら、再び女神と共に階段を登っていく。
そのまま屋敷から出て、ライトアップされた空中都市の中へ行くと
「ナラン君が、ビッグニャンニャンとフタバちゃんを強制結婚させると啓示で言ったことで、ビッグニャンニャンの苦悩が深まるのよ……ふふふふ……つまり……ニャンニャンを操り易くなる」
何か怖いこと言い出した。それはともかく
「テンプルナイトのシュマリアさんが……」
女神はダルそうに
「あー……分かってる。シュマリアちゃんのこともちゃんと認識してるし、ガス抜きの為にナラン君に会わせたわけ」
「ガス抜きとは?」
女神は向こうを向き
「彼女、ストレスたまってそうでしょ?」
「……真面目そうでしたから」
女神は向こうを向いたまま頷くと
「正しいのはよく勉強して私の真意まで汲み取っているシュマリアちゃんだし、彼女が言うような教国でなければならない」
おおおおおお……女神が珍しくまともな事を言ってるぞ……。
「でも、人ってのはせせこましくて欲に弱くて、強者程ルールを歪めて自分の為、動くものよ。ビッグニャンニャンみたいに」
黙って聞いていると
「ナラン君、よく見ときなさい。ルールや法って大事だし、ルールがあるから共同体が機能する。でも権力者達はそのルールを使って好き勝手しようとする。権力の世界は猥雑で、卑怯よ」
それは何となく知っている。女神は真鯛で振り向くと
「だから、ちゃんとルールで裁かないといけないの。私やナラン君がやるんじゃなくて、人々の手でね」
そう言ってから、急にニヤリと笑い
「サナーちゃんに会いに行きなさい。楽しいことになってるから」
そう言って、空中都市の街並みの中へ去って行った。
いや、今日は休暇……と思ったが、思わせぶりな女神の言葉に次第に不安になってきたので、天使の翼を出し、一直線に教都へと降りていこうとして思いとどまり、遠回りして教都の端へと降りた。よし……セーブ!誰にも見つからなかったな!
「天使様、すみません……追尾してしまいました」
シュマリアに背後から声をかけられ、俺は飛び上がりそうになる。




