↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
冴えない俺が、何でも教えてくれる魔法を手に入れたけど……  作者: 弐屋 丑二
自己理解と目的の修正

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

268/345

下山

 その後、サナーの愚痴に数日間付き合い続け、山頂での儀式……御聖体大青雲御祈祷は終わった。リースもサナーも一糸まとわず、一口も飲食しなかったが健康そのもので、最終日にチェックしに来た教皇と異端審問官も完全に納得していた。その日だけはサナーも流石に祈っているふりをしていたが、それ以外は殆ど俺との雑談と惰眠を貪ることに終始していた。


 下山の日、リースとサナーは薄布を纏い、サンダルを履いて、大ルパーソナ山から並んで下りて行く。麓では各国の貴人達や大観衆に迎えられ、また教皇が御者をするボロボロの馬車に乗り、教都へと戻っていったのを俺は見送った。


 正直、もう疲れた。最終的にサナーはリースの身体の形や喋り方まで色々と文句を付け、自分の身体についてまで開けっぴろげに俺に喋りまくった。当然だが女性の心や身体に付いて俺は詳しくない。最初は驚いてサナーのデリカシーの無さに怒りもしたが、途中でこれはサナーなりにストレスを吐き出して、望んでいない状況を必死に受け入れようとしてるんだな……と分かってしまったので、それからは黙って聞くことにしていた。


 とにかく次の儀式まで、一日休暇になったので、教都の宿泊室のベッドで俺は天井を見上げている。この宿屋の遥か上空にはジン・スカイストリートが浮いてるんだろうが……女神のことも大天使についても、もう何も考えたくない。下山するまでの数日間、女神達やローウェルも姿を見せなかった。多分忙しいんだと思う。知らんけど。



 ……



 いつの間にか寝ていたようで、夕陽が差し込んだ宿泊室内で起きる。寝すぎたようだ。腹減ったな……たまには飲食店に行って何か食うか。教会や王国から支給されているので金だけは割とある。殆ど使う機会がないけども……。


 黒装束を着替え、宿屋からフラフラと出て、近くの通りで営業していたヌードルを出す飲食店へと入り、カウンター席の端に座り適当に注文し「うどん」とかいうオリエンタルな太くて白いヌードルをすすっていると、少し離れた席の男達が

「ナコミ帝国の使節団、教都にすげえ金巻いているらしいな」

「ああ、うるさい異端審問官殿が連日の接待浸けで元気がないとの噂だ」

「ウィズ王国からの接待攻勢もあるんだろ?寝てるのか?」

「噂では両国で結託して面倒な審問官殿を酒と女で潰そうとしているらしい」

「うへー羨ましい。俺もあやかりてえわ」

など聞こえてきて、大人の世界マジで大変だな……と思っていると突然隣に

「たいしょー!ざる蕎麦ちょうだい。ネギ多めで」

などとスムーズに注文しながらシスター服の女神が座ってきて、食べていたうどんを全て噴きそうになる。


 どうにか飲み込み

「休暇中ですけど」

小声で文句を言うと

「奇遇ね。私もよ」

絶対、嘘だろ……という返しをサラッとされる。女神は店主が置いた「ざる蕎麦」とかいう水受け付きのザルに乗ったオリエンタルな細麺を、別の椀に入った黒い汁に浸け、慣れた様子で啜ると

「この街で各国の権力闘争が始まってるわ。優勢なのは当然ウィズ王国ね」

「何か、さっき聞きましたよ」

俺には関係ないと思う。女神は蕎麦を器用に食べながら

「……その裏でねー私のお気に入りのビッグニャンニャン司祭がさー、敵国皇族であるミツハちゃんの暗殺企んでて……止めてくれない?」

サラッととんでもないことを言ってきて、またうどんを全て噴きそうになった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。