あんなん
何かよく分からないが、俺に抱きついたまま裸のサナーは神の光に包まれて白く発光し始めた。大天使セイが
「連れて行け」
下を指差してくる。納得はいかないが頷いてサナーの浅黒い身体に腕を回し、天使の羽根を出し一旦、羽ばたきながら上昇した後、ジン・スカイストリートの下へと降下して行く。
瞬く間に山頂へとたどり着くと、サナーを包む光は消え失せ、サナーはダルそうに重ねられた岩へと登り、跪いて祈っているリースを横目に胡座をかいて座り、俺に手招きする。近づくと
「私は、女神教は信じてないから祈る必要はない」
「寝てても良いんだぞ?よく分からんが復活した直後だろ?」
サナーは思いついた顔で
「ナラン!ここで子作りしよう!どうせずっと裸だし、誰も見てないし……リースも動かないだろ……」
横からリースの腕が伸びてきて、サナーの背中を素早く「パチーン!」と叩くと、また何事もなかったかのように跪いて祈り出した。
サナーは涙目で
「うう……聞いてやがったか……よーし、じゃあ金髪上級国民女の悪口大会に変更してやる!」
腕が届かない距離まで横に離れ、動かないリースをしばらく見つめ、安全を確認すると
「お前分かってんのか?もう戻れないんだぞ?全世界の教会に丸出しのお前の絵画が張り出されるんだ。やべーと思わないのか?」
リースは全く反応しない。サナーは立ち上がると
「お前の大好きな女神は、無茶苦茶な邪神で超絶サイコだぞ?ナランの中から見ていたが、あんなん信仰対象にするのは狂ってる」
そこで少しリースの反応を見て、動かないのを確認すると
「そもそもリースこそ女神を恨まないとダメだろ?マイナススキルまみれで生まれて青春の大半それにもってかれたんだぞ?」
相変わらずリースは動かないのでサナーは飽きたのかその場に寝転び
「あーダルい……ナラン肩揉んでくれ……」
俺は大きく息を吐くと
「寝とけよ。聖者スキルの加護で岩の上でも快適に寝られるだろ」
サナーは何も反応しなくなった。本当に寝てしまったらしい。
俺はしばらくい重ねられた岩の近くで2人を見守った後、上空にジン・スカイストリートもあるし別に警護いらないよな……と、当たり前のことにようやく気付き、山頂から下り、山小屋で休むことにした。小屋に入り、ベッドに寝転んだ瞬間、俺は深く眠り込んでしまった。
……
強い日差しが差し込んだ小屋の中で起きた。午後の光だ……寝すぎたな……とベッドから起き上がり、小屋内に用意された酸っぱいオレンジジュースや干し肉や乾パンを取り出し、ベッド脇に座って齧っていると、大天使セイが音もなく小屋内に入ってきた。セイは俺の横に座り
「サナーが起きたぞ」
「放っておいてよくないですか?」
「暇すぎて逆立ちしてる。リースを突っついたり」
「……アイツなあ」
まだ山頂での儀式が終わるまで時間がある。面倒なことにならないと良いが……。




