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冴えない俺が、何でも教えてくれる魔法を手に入れたけど……  作者: 弐屋 丑二
自己理解と目的の修正

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251/343

辻褄

 夕暮れに照らされた大空を飛びながら、俺の手を握り天使の羽根を羽ばたかせている女神に

「あの、さっぱり分からないんですけど」

女神は前を見たまま

「私は、あなたたちと違う時間の流れで生きているから、封印されることも分かっていたので、予め脱出口をトール君の極悪お祖母様の身体を使って創っていたわけ」

「極悪なんですか?」

トールは優しいと言っていたが

「人が人を売るなんてのはどの時代でも極悪よ。平等に働かせているように見せかけて、搾取しているのも同じよね」

「でも長年許されてきたって……」

女神は急に笑い出し

「どんな生き物にも更生する可能性はあるわ。そしてトール君の一族は、私があの場で復活するまでが更生できるリミットだったわけね」

急に怖くなってくる。つまり、俺がきちんと導ければ、今ごろトール達は幸せに……。


 女神は大きくため息を吐くと

「ナラン君のせいじゃないわ。いずれトール君達は教会によって神罰者達の収容所に送られ、あの国の奴隷商売は崩壊するでしょうね」

「……あの、サナーは?」

「私と融合してエネルギーを借りてる。そのうち返還するわ」

「そ、そうですか……」

なんかこの邪神が怖くなってきたので、大人しく従うことにする。


 瞬く間にジン・スカイストリートが上空に浮いているトラアス島へと戻って来た。女神は一旦、異形達が蠢いている空中都市へ向かおうとして

「マリオンヌの仕事を邪魔するのもねえ」

そう呟くと、大ルペーソナ山頂岩場へと急降下していった。


 岩場では相変わらずリースとアン王女は跪き祈っていて、ローウェルは胡座を組んで風下に向け煙草を蒸し、シーネは暇そうに寝転んでいた。俺達が近くへと着地するとシーネは飛び起き、ローウェルもダルそうに立ち上がり

「お早いお帰りで。ボウガーはどうだったんだ」

「痕跡は見つからないわ」

シーネは嬉しそうに

「お母様!生きている身体良いですねえ」

「でしょ?」

いや全員何言ってるか分からない。ずっと辻褄が合って無い気がする。ローウェルに

「いや、ちょっと待ってくれ。何かずっとおかしいぞ」

3人とも一斉に俺を見てきてローウェルが真剣な眼差しで

「ナラン、何をおかしいと感じたか、ゆっくりで良いから順番に説明してくれ」

と言ってきた。

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