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冴えない俺が、何でも教えてくれる魔法を手に入れたけど……  作者: 弐屋 丑二
自己理解と目的の修正

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飽きた!

 スズと観光馬車に乗って、教都東側にある崖の上に造られ、建物全体が横広で崖が挑めるように壁の一部が無い、不思議な形の教会へと連れて行かれる。スズは自慢げに

「ここも私が夢で造らせたセイントウォーター教会よ!」

欄干に手を置いて崖下を眺める観光客だらけなので、どうせゴールデンロックス教会と同じような話なんだろうなと思っていると、大体同じような話をして、一人で話した挙句に一人で落ち込んでいたので、聞き流していると

「聞いてないでしょ……」

欄干に顎を乗せながら言ってくる。

「はい」

正直に答えるとスズは大きくため息を吐き

「でしょうね。なんていうか、どこも同じようなもんでね。宗教作ったら宗派争いは起きるし、じゃあ、文明的に進歩した人達を受け入れたらマシになるかなーって思ったら、地下に引きこもっちゃうしさー」

「ヒト族のこと言ってます?」

それは興味がある。スズはダルそうに青空を見ながら

「うんー……いやほらアンジェラちゃんに接触してるのもねー……彼女は惑星の救世主足りうるヒトでしょー?公正で叡智に溢れていて……あーもったいない」

「……なんかとにかく、この世界の運営を誰かに丸投げしようとしてません?」

賢いアンジェラは、きっとその意図を悟ってまともに相手にしていないのだろう。スズはダルそうに頷いて

「シーネちゃんは、ナラン君に狂っちゃうまでは上手くいってたのよー?」

「いや、そんなこと言われても……」

スズはサッと立ち上がると

「教都観光飽きた!まだ半日あるから、どっか荒れてる国を立て直しにいきましょー!」

無茶苦茶な事を言ってくる。


 スズと馬車で宿屋へ戻り、スズの指示で宿泊室のベッド脇に並んで腰掛けると、次の瞬間には、ジン・スカイストリートの下水道の通路に立っていた。虹色の水からマリオンヌが顔だけ出すと

「3時間前から、ナコミ帝国に向かってるよ」

そう言ってザバアッと水の中へ引っ込んだ。女神は満足げに頷くが、マリオンヌも女神のこと嫌いなんだろうなと確信する……そりゃこんなペースで引きずり回されたら、誰だって嫌になると思う。


 女神に手を引かれ、下水道を透過して上昇し、崩れた城門の前に到達する。女神は崩れたままのマリオンヌキャッスルを見つめ

「これもどうにかしたいのよねー」

そう言いながら瓦礫を眺めつつ

「で、今回行くナコミ帝国というのは……ナラン君も知っての通りヒリュウ共和国から魔法弾をぶち込まれた国でもあるんだけど……それよりも……」

ニヤニヤしながら

「ローウェル君を好きでたまらない同じ年齢のお姫様が居る国です!彼女を救うのよ!そうすると因果によって国が安定するわ!」

何か聞いたことあるぞ……空飛ぶデカい猫の神獣がローウェルに愚痴ってたやつだよな……うわー……気軽にやべーことに巻き込まれそうだ……。まだ教国での儀式も途中なのに、もう無茶苦茶だよこの女神……物事には順序があるだろ……マジでふざけんな……。

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