表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
冴えない俺が、何でも教えてくれる魔法を手に入れたけど……  作者: 弐屋 丑二
高位存在による介入の損失計算と立て直し

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

217/219

ごっこ遊び

 その後、更に一日の時間が過ぎた。ホール内の人々は入れ替わっては戻ってきてを繰り返し、顔ぶれは刻一刻と変わっていくが、教皇代役のニャンギエフと、聖者のリース、そしてアン王女だけは、ずっとその場に留まり役目をこなし続けた。ニャンギエフは途中交代かつ獣人なので体力があるようで、そしてリースは本物の聖者なので二人共、全く揺るぎなく水かけや跪いての祈りをこなしていたが、偽聖者のアン王女に近づいて様子を見ると、大体歯を食いしばり耐えているのだが、時折意識を失うと跪いたまま、白目を剥き口を半開きにし……更にいろんな体液が、剥き出しの肌の色んな所から噴き出ている。


 たまに奇跡を起こす以外暇そうな女神に、アン王女がいよいよヤバいということを相談すると、心底どうでも良さそうな表情で

「ナラン君がスキル補強したらー?」

「ど、どんなスキルを……」

女神はニヤリと笑うと

「じゃー私を笑わせられるようにもアン王女をスキル補強しなさいな。本来なら偽スキルで神聖なる儀式を汚している大罪人よ?わたくし、女神への大逆を目の前で働いている最低の不届き者よ?それを笑わせるだけで赦してやるって言ってんの。優しくない?」

「……」

絶対、儀式も自分の宗教もどうでもいいのに、よく口が回るな……この邪神……いや、女神……と呆れながら

「……えっと、笑わせられるって言ったら、どんなのがお好きなんですか?」

「ひみつー!」

嬉しそうに返してきた女神の頭が「スパーンッ!」小気味良くハリセンで叩かれ、背後に出現した大天使セイが俺に顔を向け頷き

「女神、ちょっと休め。セイ様がナランの補助はする」

そう言った。


 女神はスッと消え、セイも手元のハリセンを消すと、大きく息を吐いて

「まあ、アン王女に更なるスキル補強が必要なのは確かだ。もはや精神力系スキルで何とかなる状態を超えているからな」

そう言って、水場の中心を眺める。俺が

「多分ですけど、体力系のスキルが必要だと思いますけど……」

セイは頷いた後

「それもその通りだが、栄養不足と水分補給も問題だな。大量に水分が出ていっているので、そろそろどうにかしてやらねばならない」

「あの……リースはどういう仕組みで余裕なんですか?聖者スキルが助けてるのは分かってるんですけど……」

セイはリースを指差しながら

「あの魔法水は、混沌粒子が多量に含まれていてな。エリクサーと呼ばれる高級霊薬とエーテルという魔法薬を組み合わせたものだ」

「うわっ……無茶苦茶金かかってますよね……」

エリクサーやエーテルなら俺も知っている。

「高級ワインも入れて、人件費を加味しなければイェン換算で70億ってところだな。3日分で」

鼻血が出そうになる。……すんげー大金かかってた。マジでアン王女が漏らしてなくてよかった……。セイは更に

「つまり、自然回復が出来る聖者スキル持ちならば、あの水場に居るだけで、自然と魔法水からエネルギーが吸収され元気で居られる仕組みなわけだ」

よくわかった。だとするなら……。


 俺は少し考え、大天使セイに

「水を味方に付けられる様なスキルと、自然回復系のスキルの二つが必要ですね」

セイは腕を組んで頷き

「後は、どうやって女神を笑わせるかだな」

「それ、必要ですか?」

セイは真顔で

「女神教の儀式は全て女神に捧げられるものだ。その女神が笑わせろといったら、我ら大天使はその為に動くんだよ。別に強制じゃない。ごっこ遊びの延長くらいに思ってくれればいい。楽しめ」

「ごっこ遊びですか?」

驚いてまた尋ねてしまうと、セイはホール全体を見回しながら

「我らにとってはごっこ遊びだとしても、この星に住む住人達は真剣に宗教を信じ、生きて、死んでいく。ナランもそこを忘れるんじゃないぞ」

「は、はい……」

セイが水場へと歩き出したので、俺も付いていく。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ