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冴えない俺が、何でも教えてくれる魔法を手に入れたけど……  作者: 弐屋 丑二
高次元存在の調査開始

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マリオンヌシステム

 マリオンヌは崩れた城門を見ると

「……うむ。僕の城はなくなった。それはいいんだけど、ニュー管理者ナラン君が居る場所が……あっ、ポノキオの屋敷があるか。ついて来て」

そう言うと、スライムの身体でズルズルと移動し始めた。しかし誰の気配もしない。


 少し歩くと、三階建ての屋敷の敷地の前にたどり着く。庭は更地で中心に屋敷が建っているだけだ。マリオンヌは

「下からの砲撃は殺意に満ちてて美味かったなあ……」

などと言いながら、スライムの身体をヘビのように横長に変形させながら屋敷の入口の前へとたどり着くと、木造の扉を開き

「どうぞー」

そう言ってズルズルと入って行く。


 屋敷の一階ホールの床は四角く開いていて、下への石階段が伸びていた。マリオンヌがズルズルと降りていったので俺も続く。階段が途切れると、壁も床も半透明な殺風景な部屋ヘと出た。当然半透明の下水道に流れる水と、空中都市下部を包む虹色の膜も見える。マリオンヌは入口付近でヌチャッと音をさせながら横に退き

「中心へ」

と言ってきた。黙って部屋の中心へ行くと、半透明な足元の床から大きな気泡が漏れてきて俺の身体をつつみ込んだ。瞬時に気泡の中が床から上がってきた虹色の水に満たされ、同時に意識が落ちる。



……



 身体を抱えられて目覚める。モノラースの紫色の腕が俺を椅子に座らせた。そして

「ナラン、見ろ」

周囲には、女神と名乗ったセーラー服の少女、大天使セイ、ナーニャ、緑髪の女性、ノヴェナが座っていた。俺の背後では、ボロキレを纏ったアン王女が祈りを神に捧げている。少し離れた場所の焚き火をサナーとローウェルが囲んでいて、サナーは膝を抱え眠そうだ。どうやらここは精神世界のアン王女監視部屋らしい。


 モノラースは空いている椅子に座ると

「今から、管理者ナランと共に惑星管理会議を始める」

そう言い、全員が拍手をしてきた。

「あの……なんなんですかこれ……」

少女が嬉しそうに

「マリオンヌシステムに接続されたナラン君が、判断を誤らないように有識者の皆さんを呼びましたー」

そう言って自分で拍手をした。

「マリオンヌシステム?」

セイが面倒そうに

「半透明な下水道は見ただろ。あれに流れる水はヒモカヌールと言って特別な液体だ。それをマリオンヌが調整している」

ナーニャが

「実はあの下水道がねー世界を操作してるんだよーそれでえっと……都市はついでなの」

セイが横から

「下水道をぶち壊す為に、シーネはジン・スカイストリートを暗黒地帯で覆って、下にボスモンスターに偽装した肉の砲台を造り、破壊の機会を伺っていたんだ」

セイが宙を指差すと、そこに四角く、山のような巨大な人型の悍ましいアンデッドが、腐った肉体を飛び散らせながら、空高く閃光を放っている様子が映し出された。


 唖然として眺めていると、それは宙から薄れて消え、セイが

「下水道自体はマリオンヌがエネルギー波を食って、減衰して吐き出し続けたことで守られたが、マリオンヌキャッスルは崩壊したな」

女神は少女の顔でケラケラ笑うと

「城は仕方ないわ。ヒト達は全員救出したし、まずは、ナラン君が暗黒地帯をどう処理するかよ」

と言った。

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