↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
冴えない俺が、何でも教えてくれる魔法を手に入れたけど……  作者: 弐屋 丑二
高次元存在の調査開始

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

157/343

ジェットコースター

 半透明な下水道の流れる水の上へと、マリオンヌは大きなスライムの身体を縦長にしながら下ろしていくと

「上に乗ってよ」

ビャクダイインジは躊躇無く乗り、アンジェラが続き、俺達残りの3人も続く。マリオンヌの身体はプニッとしていて乗り心地は悪くない。アンジェラが軽く息を吐くと、俺達全員を薄いバリアで包み込む。そして

「多分、凄い速度でしょう?」

俺達の足元のマリオンヌが

「そうだね。掴まり用のレバーを出しとこうか」

俺達全員の前に1本ずつ大きなキノコ状の太い柱が出てきた。ビャクダイインジとアンジェラが同時に大笑いして

「あんた!いい加減にしなさい!」

「そうね。私の妹もいるんだけど?」

「形がだめ?他意はないんだけどなあ……掴まり易いでしょ?」

柱は機械のレバーの様な形に変わり、俺達全員がそれを握ると、ゆっくりとマリオンヌは下水道の水流に沿って動き始めた。


 何だ、大したことないなと思っていると、次第に速度が上がり始める。しかも下水道の向きと形に沿って斜めになったり縦になったり、終いには逆さになったりを細かく繰り返しながら、超高速で複雑で多動的な半透明の下水道の中を進んでいくので、乗っている俺の平衡感覚は途中で完全におかしくなった。リースも俺の背中に強くしがみついている。しかし最後尾に座るミヤは

「これヤバ!超楽しいって!姉貴ヤバいよこれ!」

キャッキャッと笑いながら楽しんでいて、アンジェラも冷静な様子で

「……ジェットコースターとしては特上かもね。ビャクダイインジさんも良く利用を?」

ビャクダイインジはもう飽きた様子で

「まあ、魅了されてたけど正気だったし、娯楽がなかったからねえ。逆流コースもあるんだけど、そっちはもっと激しいよ」

ミヤが狂喜した声で

「逆流コース!?絶対こんどやる!うわー最高!超楽しい!」

俺は3人のヒトの会話を聞きながら、やはり人間とは違うなと、レバーに必死に掴まりながら思う。背中に抱きついているリースの体温は温かく、そこに神経を集中すると次第に落ち着いていった。


 もはや、何が何だか分からない程、グルグルと複雑で半透明な下水道の中を進み続けた末、マリオンヌは停止した。途中から背中と尻のあたりがリースの体温以上に妙に温かいと思っていたが、リースは俺の背中に強く抱きついたまま、吐いて、失禁して気絶していた。マリオンヌは大喜びで

「全部頂きまーす!水分も含めて残らず清掃するからね!」

そう言って俺とリースの身体をスライムのゲル状の肉体で包み込むとサッと引っ込める。直後に、完璧に汚物は消え失せていた。便利だなこのスライム……と思いながら、気絶したリースを背負って、アンジェラ達と同じ方向へと降りると、半透明な下水道構造物の奥に普通の物質の石階段が見える。


 マリオンヌは水流の上で大きな身体を縦に伸ばして、一つ目と口を出現させ、名残惜しそうにこちらを見ると

「僕は女神の縛りで下水道から出られないんだ。また色んな若い子連れてきてよ……その子、超美味かったし……」

ビャクダイインジが呆れて

「あんたのド変態願望が何度も叶うわけないだろ……いい加減にしなよ」

ミヤは両目を輝かせ

「今度逆流コースお願い!あっ、順流コースも!」

マリオンヌは渋い顔で

「……料金は一周に付き、穢れた人間一名になっておりまーす」

ミヤは嬉しそうに

「サナーちゃんとか、ローウェルさんとか、フォッカーとか!!あと元村長も!超穢れてそうな人間いっぱい知ってる!今度連れてくる!」

マリオンヌは嬉しそうに横揺れで踊り出し、ミヤも真似て踊りだしたので、アンジェラが苦笑いして

「ではマリオンヌさん、ありがとう」

ミヤの背中を押し石階段へと連れて行く。リースを背負った俺もマリオンヌに頭を下げてから、アンジェラやビャクダイインジの後に続く。


 長い石階段を登り切ると、薄暗い倉庫の中だった。ビャクダイインジが

「アンジェラさんなら、警備のヒトの気配を察知できるだろう?」

「そうね。3回程、必ず通らないといけない地点があるわ。ヘコムと前社長は最上階ね」

ミヤがワクワクした顔で

「強行突破?」

アンジェラは腕を組んで難しい回で

「そうなるでしょうね。ミヤちゃんは携帯端末で撮影係頼んで良い?もう電源入れて良いわ。ビャクダイインジさんは、うちの妹を守ってもらえますか?」

ビャクダイインジは頷いて俺を見ながら

「我々がヘコムのマイナススキルに魅了されないのは、この子が女神の加護スキル持ちだからだろう?大したもんだねえ」

アンジェラは真顔で頷いて

「東部の調査の時も、加護スキル持ちの別の子が居たの。女神も暗黒地帯の排除に動いている可能性が高いわ」

「そっかあ……移住時にご先祖がお世話になったと聞いてるけどねえ」

俺が良く分からないが黙って聞いているとアンジェラが

「ナラン君、リースちゃんを起こして、ここからは戦闘の連続よ」

と言ってきた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。