二十六話 我、勇者から逃げる>>1
作者です。
受験とソシャゲの沼に嵌り、この作品の更新をしませんでした。神様とやらが存在するのなら、今この場で懺悔します。
誠に申し訳ございませんでした。
( ˊ̱˂˃ˋ̱ )なめこ
「セ……セン様。早いです!」
エレーナちゃんは息が絶え絶えになりながら俺に訴えかけてくる。
『む。すまぬ』
踵で急ブレーキをかけつつ、エレーナちゃんの回復を待つ。
流石に早かったかな?この姿になっても身体能力はそのまま引き継がられるっぽいな。反省せねば。
まぁ、ここまで来ればあの勇者(笑)もさすがに来れまい。あれ?これもフラグか?あははは……
「センちゃぁぁぁぁ……ぁああん!!!」
『わぁぁああああ!??』
こいつ。突然屋根上から落ちてきやがった。ってか今俺をそのまま押し倒そうとしたよな?倒されなくてホンットに良かった。
『な、何でいる!?』
「甘く見てもらっては困るよ。ぼ・く・は勇者何だからっ」
あかん。鳥肌立った。
チッチッチッみたいに指を振る行為には殺意すら沸くわ。何で「僕は」を強調した?ほんとにキモいから止めてほしい。
「あ、あの。勇者様っ!」
回復したエレーナちゃんが勇者(笑)に食らいつく。
「ん?何だい?可愛いお嬢ちゃん」
こいつ見境ないな。まぁ、エレーナちゃんに無理矢理手出したらその顔が膨れ上がるまでタコ殴りにするが。
「セン様は嫌がってます!だからこれ以上付きまとわないで下さいっ!」
よく言った。エレーナちゃん。あんた男やで。
「嫌がってなどいませんっ!何故ならセンちゃんと僕は運っ命の赤い糸で結ばれているのだからっ!」
んなわけあるかボケ。
「え。そう……なんですか?」
ほらみろエレーナちゃんが信じてしまっただろ。うちの子に変な事を吹き込まないでほしい。
んでもって頼むから疑わしい目で俺を見ないで。
『我と此奴にそんな糸存在せん。信じてくれるな?』
「もちろんですっ!最初からそんな妄言信じてませんでしたっ!」
嘘つけ。今思いっ切り疑ってたよね?
まぁいいや。兎に角、この場をどうにかして切り抜けないと。こうなったら……
『おい。マナブとやらよ』
俺がお前の追っかけてきてるフェンリルだって教えてやる。
それで、剣を向けてきたとしてもまた腹にグーパン入れて逃げればいい。こんな気持ち悪い好意向けられるくらいなら敵意の方が万倍マシだ。
「僕の名前を知ってくれているのですかっ!あぁ。何と光栄な事かっ!」
うん。そろそろやめとけ?
いや、ぶっちゃけ背筋が痒くなるようなこの言葉はもう慣れたんだ。
でもな?後ろ見てみ?
さっきから黙ってておかしいなーとは思ってたけども、お付の彼女達目大分ヤバいよ?全員虹彩が宿ってなくて巷で言うヤンデレみたいになってるよ?
まぁいいか。これでこいつが後から刺されても。
愛されながら死ぬのだから本望だろう。あはは。
…ふぅ。
本題から話が逸れた。
よし。夢をぶち壊そう。
『お前が追っているフェンリルがいるだろう』
「はいっ!あ!そいつを狩ったらその牙か何か加工してアクセサリーでも……」
『それは我だ』
「へ……」
よし。いい具合に決まった。これで少なくとも好意は……
「あ、じゃあ襲うのやめますね」
『っておぃいいい!!』
「え?何かおかしな事言いました?あ、僕としたことが謝罪がまだてしたね。すいません」
ダメだ。こいつとは根本的に話が合わない。いや、さっきから噛み合った事があっただろうか。
「勇者様っ!何を馬鹿な事を」
「そうだよっ!!魔物は倒さないと」
「……倒すべき」
うん?突然息吹き返したな。と、取り敢えずいいぞ付き人A、B、C。俺としては複雑な心情だがもっと言ってやれ。
「こんなアバズレ……」
「ちょっと髪質いいからって。うんやっぱ殺すべきだよ」
「……死ね」
あれ?おかしいな?倒すが殺すになってるぞ?
「お前達っ!センちゃんに失礼だろ!」
うん。お前が元凶だから。
ってか待てよ。こいつらが言い争ってる今なら……
さっきから話についてこれずにポカーンとした表情のエレーナちゃんの肩を叩き、ジェスチャーでこの場から逃げようと伝える。
ジェスチャーには若干のトラウマがあるが。伝わるか?
エレーナちゃんは最初は眉を顰めながら首を傾けていたが、段々とジェスチャーの意味を理解してきてくれたのか顔がパッと明るくなった。
よしっ!伝わった!!
「分かりましたっ!今すぐこの場から逃げましょうっ!!」
ねぇわざと?俺君を怒らせるようなことした?
俺は勇者(笑)の反応すら確認せず、エレーナちゃんの首根っこを掴んで屋根へと跳躍した。




