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狼?いえ、フェンリルです  作者: 嫌奈 舐め子
25/29

二十四話 我、遂にお決まりへと…

疲れた!ツイッター始めた!


@iyananameko


by( ˊ̱˂˃ˋ̱ )なめこ

「あら〜可愛い狼ちゃんね〜♪テイムしたの?」


『ひっ!!』


オサムさん(ちゃん?)がクネクネと動きながら外に出てくる。正直言ってかなり怖いくて短い悲鳴が漏れた。


「えっと…その事なんですけど…」


「何よ〜エレーナちゃん!私とあなたの仲なんだから遠慮は要らないわ。話してごらん」


いい人っぽいな…今も変な手付きで俺の体をモフモフしていなければ…


「はい!…えーと…」


エレーナちゃんはまだおずおずとした態度だったが事の顛末を語り始めた…



〜〜〜


「…ふーん、なるほどね〜。言わせてもらうとすれば、姿を変える事は可能よ」


「本当ですか!?」


「その代わり何に変わるかは分かんないわね〜」


「え?」


「え?だってそんな何でも自由になれる薬なんていう都合の良すぎる代物があるわけないじゃない」


「ふふふ」と不気味な笑いを浮かべながらサラッと重大発言しやがった。


『えーと…じゃあ、一回変わるともう二度と元の姿に戻れないってことは…』


「ん?あぁそれは何故か大丈夫なのよ〜。笑っちゃうわよね〜」


何が笑っちゃうのか全然分からんが一先ずそこは安心した。


「ってことはオサムさんは一回その薬を飲んだ経験があるんですか?」


「えぇ、そうよ」


「何に変わ…フグッ!!」


オサムちゃんがエレーナちゃんの顔を片方の手で鷲掴みにしている。


「乙女の傷口を抉るもんじゃないわよ♡」


「ごべんなざい…二度と聞きません…グスッ」


それだけ聞くとオサムちゃんはエレーナちゃんを放してまた元の笑顔に戻った。


「んもう!泣かないの!こんなの演技よえ・ん・ぎ♡」


嘘だ!!目が据わっていたぞ!!あれはマジで人殺しの目だった!エレーナちゃんでも流石に騙せないよそれは!!


「演技ですか!?よかったぁ〜」



えーと、姿が変われるんだよな?一応。って事は夢の人化も…


『おい』


「あら?何かしら?」


『その薬で…その…人にはなれるのか?』


「まぁ、なれないことはないわよ?運だけど」


『……飲ませていただきたい』


「セン様が人にか〜…きっと格好いいんだろうな〜」


「いいわよ、た・だ・し、タダって訳にはいかないわ。だってあれ一粒だけでもすんごい値段するもの」


『俺は何をすればいい?』


「簡単な事よ、ある人の情報をくれればいいの」


『…そいつの名前は?』


辺りが緊張に包まれる。風が辺りの街路樹をゆらす…


「……ナブちゃんよ…」


『え?』


「私、マナブちゃんの情報が欲しいのよ〜!!」


『是非ともお教えしよう!いや、教えさせて下さい!!』


即答だった。俺のためにリア充勇者(笑)がこの自称乙女のオサムちゃんに◯◯や◯◯されようと知ったこっちゃない。そもそも、あいつの所為で姿を変えなければならない事態になってるわけで、オサムちゃんの1人や2人送っても恨まれる事はないだろう。


『茶髪のショートヘアー、白色に若干青が混ざったような鎧を身に纏っていて、腰にはいかにも伝説の剣的な物が携えてあった。仲間は…仲間は……グフォ!』


「セン様ーー!?!?」


「ど、どうしたのよ急に!?」


『いや…何でも…ない、お付きの仲間は女四人だ。声は若干高かったな、まだ幼さが残っていた。顔は…まぁ、悔しいが上の下ってとこだったかな』


「んー…うん!ありがとね♡これぐらいの情報があれば後は自分で調べて襲…お近付きになれるわ」


『別に襲ってもいいと思うぞ?』


「うーん…まぁ場合によるわね、っと、薬だったわね?えーと…」


店に入り、ガサゴソと何かを探す音が聞こえた。


「あったわ!まだ一粒残ってたみたい!よかった〜残ってて」


『ん?残ってない可能性もあったのか?』


「もちろん」


「『ふざけ(ないでください!/るな!!)』」


「大丈夫よ♪無かったらちゃーんと仕入れるつもりだったから♡」


『ちなみにその場合の入荷予定日は?』


「三年後かしらね?」


『いっぺん殴っていいか?』


「そんなちっちゃい事で怒らないの♡あったからよかったじゃない」


『それでも!…はぁ、もういい、渡してくれ』


「はい♡」


色が真っ黒の大凡薬とは思えないような物体を受け取る。今からコレを飲むのかと思うと少し躊躇いがある。しかし、飲んで姿を変えないと勇者(笑)に追いかけられる…


『んっ…』


俺は薬を飲み込んだ。


「あ!それは水と一緒に飲まないと効果発揮されないのよ〜」


吐いた。


いっぺんオサムちゃんを殴った。


「ってぇなぁ!?何すんじゃボケ!!」


オサムちゃんを無視して近くにあった井戸に顔を突っ込み水を口に含んでから薬を再度飲んだ。


『がぁあっ!!がああああ!!!』


体がギシギシと音を立てる。段々構造が変わっていっているのがよく分かった。


「そんな声上げなくても変化の時は痛くもなんともないはずよ?」


オサムちゃんをもっかい殴った。


「だから何で殴るんだよ!このクソッタレがぁ!!」


無視して真顔で自分の体を眺め続ける。


「セン様!セン様今二足で立ってますよ!?」


『うむ』


足から変わり始めるらしい。足が人の足のように…ん?人の足のように?


「あら、ラッキーね!この分だと人に変化するっぽいわ」


よっしゃああ!!!


足の変化が終わる。真っ白で汚れなんかひとつも見当たらない綺麗な足だ。ちょっと短いが


手の変化が終わる。これもまた綺麗な腕だ。短いが…


このままいくと美少年ルートか?


顔の変化が終わった。エレーナちゃんが凄い驚いていたが、自分ではどうなっているか分からない。後回し!


最後に胴体!!おぉ!変わる変わる♪


胴体に元の毛むくじゃらは見当たらず小さな膨らみが二つ胸の辺りに出来ていて…ん?


小さな膨らみが二つ胸の辺りに?


あーーー


うん、


いや…認めたくはないよ?俺にとっては何の需要も無いしね?


でも、うん、うん、


「あっらぁ!!可愛い美少女になっちゃったじゃない!!すんごく長い銀髪ね〜、ねぇ?触ってもい…グボァ」


裏拳をオサムちゃんの顎にヒットさせる。


この人に色々と期待する事はやめよう。


店の鏡を見る。見事に女の子の顔だ。しかもかなり可愛い。俺が鏡の向こうの自分を襲いたいぐらいだ。鏡から目を離す。するとエレーナちゃんがプルプルと震えていた。


「あの!!セン様……ギュッとしてみていいですか!?」


『却下』


「あぅぅ…」


はぁ、これ本当に戻れるんだよな?これだったらフェンリルのままの方がマシな気がする。何よりあの勇者に別の意味で追いかけられそう…


『これってフラグ?…あははは』


少女の笑い声が人通りの少ない路地にこだました。

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