二十三話 我、魔導士と出会う
『街だ…やっと着いた…』
冒険者と勇者(笑)との鬼ごっこを終えてやっと帰ってきた。日は既に高く昇っていた。
こんな事を言うのもなんだが勇者(笑)が半殺し状態になっている事を切に願う。
「セン様!何処へ行ってたんですか!?」
声がした方へゆっくりと振り返る。案の定そこには俺に敵対していない冒険者のエレーナちゃんがいた。ホントに心の癒しやで…あんた。後ろをよく見るとドルムさん達もいた。
『う…うむ、えーと…うむ…』
「うむうむ言ってないで!!何があったんですか!?早く答えて下さい!!」
『ご、ごめんなさい…』
「まぁまぁ、エレーナ。セン様も困ってんじゃねぇか」
お!ナイスアシストドルムさん!!
「ドルムさんは黙ってて下さい!!!!」
「すいません…」
ドルムゥーーーー!!!??もっと、こう…ね?諦めるの早いと思うよ?うん
「何があったんですか?」
『その…だな…』
俺は渋々と事の顛末を話し始めた…
「「「「勇者様と遭遇してしかもそれを倒したぁー!?」」」」
『…うむ』
「うむ…じゃねぇよ!?センさんよ!!」
「流石にヤバイですね…勇者に手を出すとは…」
「……」
「なぁんだ、セン様が悪いわけじゃないんですか。よかったぁ〜」
泣きそう…エレーナちゃんの言葉が無かったら泣いてた。
「エレーナよ!?よかったぁ〜…じゃないからな!?流石に人類の希望の勇者様を倒したっていうのは問題だぞ?」
「だってセン様から戦いを仕掛けたわけではないんですよ?セン様の何処に非があるんですか?」
「ま、まぁ…そうだが…」
「しかも勇者様っていう割には、女の子を侍らしててただのスケコマシじゃないですか。」
「…確かにそうだな。でもな〜…うーん…その聞くだけだといかにも雑魚感が漂う勇者様だが、多分センはんの事を追いかけてここまで来るぞ?場所は既にバレてるって考えるのが妥当だな」
『うむ…』
「姿を変えれればいいんですけどね……あっ!!」
「どうしたよ?」
「あの例の店の魔導士の方なら何とか出来るかもしれないのでは!」
「げっ!!………アーウンソウダナー…デモオレニハイッサイカカワリガナイヒトダカラフタリデイッテクルトイイ。イヤ、ソウスルベキダー」
一言目の「げっ!」が凄い気になる。後半のオール片言は最早恐怖を覚えた。
「って事で行ってみましょう!!セン様!」
『急だな!?それよりも我が街に入っても?』
「私がテイムしたって事で押し通します」
『それでいけるのか?』
「なんとかなりますって!善は急げですよ!行きましょう!!」
頭を引っ張られてされるがままに連れてかれていく。その時に見えたドルムさんとその他の合掌がこれから会う人の嫌な予感しかさせなかった。
歩く事10分弱。途中で驚かれる事も多々あったがテイムって事で全部押し通せた。スゲェ…
「こんにちは〜!!…あれ?留守かな?」
うん、よくあるパターンだな。これで名前を呼ぶと上から不気味な人が出てくるっていうやつだ。
「オサムさーん!!」
ん?おっかしぃなぁ?名前が日本人っぽいぞ?まぁ…よくあるよくある。名前が日本人っぽい異世界人
「ヤマダ・オサムさーん!!」
『ぶふぉっ!!』
「どうしました!?セン様!!」
『いや…何でもない…』
これは…俺と同じ境遇の人って考えるのが妥当か。
ん?でもおかしいな?普通の日本人だったら何であそこまでドルムさんの顔が引きつってたんだ?
コツコツ…
足音が聞こえる。それと同時に全身から謎の汗が噴き出してくる。何故だ?何故汗が出てくる?まるで本能が逃げろとでも言っているような…
コツコツ…コツッ…
手遅れだった。
店の上からはスキンヘッドのいかにも日本人の親父って感じの人が降りてきた。
「はぁぁい。あら?エレーナちゃんじゃない?」
「ご無沙汰でーす」
目の前でおっさんがクネクネし始めた。
あちゃー…何で本能に従わなかったんだろ…俺




