十八話 我、戦闘します。1
この前バスを待っていたら外人の方が英語で喋りかけてきました。
俺もしどろもどろで返しましたが、やはり経験が足りないのか上手く返せませんでした。俺が困ってる時に前のおじ様が
「◯◯?だったらこのまこれに乗りゃ着くよ!」
「オォウ、アリガトウ!」
いや!喋れるのかよ!!そう思ったんだ…
by( ˊ̱˂˃ˋ̱ )なめこ
今更ながら俺って町に入れるんだろうか?そんな事を思いながら歩いていた。
「そういえば、フェンリルさんに名前ってありますか?」
エレーナちゃんが興味津々といった様子で聞いてきた。
『あるにはあるが…』
さすがに中二病臭が漂う名前を名乗るのはちょっと…
「教えてもらってもいいですか!」
そうくるよね、やっぱ。
『……センだ…』
「え?」
わざとか?この野郎…
『センだ!』
「へぇー!セン様ですか!素敵な名前です
ね!!」
えぇ、そりゃどっかのジ◯リの素敵なキャラと同じ名前ですから。もういいです、俺はこの世界ではセン様で生きていきます。…あれ?目から汁が…
「セン…かぁ…伝説の獣に相応しいいい名前だなぁ!」
もうええわ!俺の中でのドルムさんの評価がグッと落ちた。
『えーと、次行く町はどんな所だなのだ?』
「えーとですね…なんか大きくて、バーンてなってて、とにかくすごい町です!」
あれ?エレーナちゃんてひょっとしてアホな子?ちょっと俺には早すぎるかな、この説明を理解できる知能はまだ備わってません。
「おい、お前は説明下手なんだから黙ってろ」
「うぅ…」
ドルムさんが救いの手を差し伸べてくれた。ショボくれたエレーナちゃんも可愛いな…っと、ドルムさんが説明し始めてくれてた。
「今俺らが向かってる町はガルムの港町っつてな、周りは城塞に囲まれててまるで城みてーな場所だ。町を守ってる兵士も500を超えてるし、魔物どもが攻めてきても安心できる場所って有名なんだぜ」
『…魔物…か』
「おっと、すまねぇ!あんたは魔物でも信用できるから大丈夫だ。俺らが説明するから町にも入れるぜ。」
『そうか、かたじけないな。』
「そうですよ!ドルムさん!セン様はとっってもいい魔物なんです!!」
おぉう、ありがたいがそんなムキにならなくても、まぁ…嬉しいが…
「ん、センさん見えてきましたよ!」
デイル君が場の空気を和ますために、声を少し大きくして俺に町の到着を知らせてくれた。
「?……っ!!おい!ありゃ…魔物どもに襲撃されてねぇか!?」
ドルムさんが叫ぶ。よく目を凝らして見てみる。確かになんらかの集団が町の外に大量にいた。
「ひっ!」
エレーナちゃんが短い悲鳴を漏らす。
『どうしたのだ?』
「センさんよ…確かに俺は魔物の襲撃について説明したよな…でもあれは異常だ。今まではゴブリンどもが2〜300匹、多くて400匹くらいが関の山だったんだが、あれは見ただけで2000は超えてる。しかもゴブリンだけじゃねぇ、Bレートの魔物も何体か混じってやがる…」
『?Bレートとは何だ』
「あぁ、レートってのは強さの基準みたいなもんだ。ゴブリンとかお前さんがいた封印の森にいた魔物どもは大抵FからDレートだが、あそこに見えるフレアサーペントとかはBレート…俺ら四人が一体と相対してやっと倒せるレベルだ。」
おぉっふ…こりゃヤバいってのがヒシヒシと分かりましたわ。俺がその蛇1匹とやりあっても負けると思う。
「くそっ!もう終わりだ!!」
デイル君が絶望に顔を歪ませている。エレーナちゃんに至っては膝をついて泣いている。まだ一回も喋ったことのないルーファスさんは…あれ?目を閉じたまま微動だにしていない?いや、頰に汗が伝っている。一応は焦ってるな。こりゃ…あ、ドルムさんは…
「お前らはここで待ってろ、俺は行く。」
あれ?もう剣と盾を構えて突っ込む体制だよ?この人。
『なぜ行こうとするのだ?死ぬぞ?』
軽く止めようとしてみる。
「忠告してくれてありがとよ。だけどな…あそこには俺の娘がいるんだ…見殺しにできるわけがないだろ?」
それだけ言うとドルムさんは魔物の群れに単身で走っていった。
「わ、私も行きます!」
「…仕方がないですね」
「…」
他のメンバーもそれぞれの武器を構えてドルムさんの後に続いていった。
…
うわっ!!かっこいい!!!
映画みたいだな…これ。
…
……
このままあの人達を見殺しにできるわけがないだろ!?
えぇい!もうヤケだ!!俺も突っ込んでやる!!
俺も魔物の群れに向かって走っていった。




