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無職のおっさん、幼女にTSして悪役令嬢とダンジョン最下層を目指す【完結】  作者: 芥部


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第192話 掲示板の怪物


 ふと俺は思った。地球であんなに暴れてたヴェレルが、こっちでおとなしいなんて、そんな事あるか?

 こっちでも暴れてるんじゃねえのか?


「エクセリオちゃん、ちょっと聞きたいことがあるんだけど」

『エクセリオちゃん?! そんな、そんな呼び方だなんて、私まだ心の準備がっ……!』


 もしかして、皆が塩対応で人工知能に対応してるのってそうでもしないとテンション高過ぎになるからなんだろうか……。可愛いけど悪い人間に騙されそうで心配だ。あまりにもピュアすぎる。


「エクセリオちゃん、落ち着いて。ちょっと聞きたいんだけど、今のこの国で『二人のサラ』の話題を話し合っている人々のネット掲示板とかってあったりしない?」

『只今検索します! ……ございました! 画面表示いたします!』


 ぶわっとテオネリア語の文字が並ぶ。こっちにも文字メインの掲示板ってあるんだな。幸い、翻訳機能は生きている。ふりがなが振ってあり俺にも読めた。そして二人も読めるらしい。興味津々で中を覗いてみる。


『☆映画フォーラム 映画の話を一杯しよう!☆

 ☆懐かしの映画を語ろう 115☆


 このスレッドでは皆仲良く思い出の映画の話をしましょう。


1:俺は子供の頃に見た外宇宙警察三十時が忘れられないんだよなあ。


2:覚えてるよそれ! 星間司法庁のドキュメンタリー風ドラマだよね。ビッグボスかっこよかったー! 渋くて品があって……!


3:あれに出てた女優さんも好きだったな、女捜査官役の人。アクションも出来てかっこよかった


4:ビッグボスのモデルと結婚したんだよね。たしか、二人のサラって連続ドラマに出てた子役の人。子供の時から演技力やばかったんだなーって今思う。


5:二人のサラなつかしー! 私は金髪のサラに憧れて同じ髪型にしてた(笑)


6:金髪のサラの女優さん、王室に嫁いだんだよね。結婚式の中継見た? 綺麗だったよねー!


7:サラサもサラも結婚してないが??? あれは副運用体を偽造した王室の捏造だよ。見栄を張って女優と結婚して箔をつけたかったんだ、あのクソ王室にサラが嫁ぐわけ無いだろ。


8:わかる。サラがあんな王家であることしか取り柄のない男と結婚するわけない。皆騙されてる。バカじゃない?


9:またこいつ来たのか……


10:でもビッグボスのモデルの人と結婚したのは事実だよね?


11:は? それも副運用体を使った捏造だよ。星間司法庁の職員は税金泥棒の集まりだからな、早く解体されるべき


12:そうそう、税金泥棒。もっとふさわしい人と今からでも結婚すべきだよ、サラもサラサも。


13:そう言うならせめて芸名で呼んでやれよ……』



 なんか、すごく、見覚えがある文章の羅列があった。そして、ここでも二回連続の書き込み……。


「……すごいわね、これだけ短い書き込みなのにゔぇれるだってわかるわ」

「こやつ、気が狂っているのか?」

「とりあえず、そのへんは後で質問しようか、エト姫と四方よもさんに……」


『あのっ、もしかして検索結果お気に召しませんでした?!』


 あっ、エクセリオちゃんが慌てている。


「そんなことないよ、欲しかった結果だけど予想よりすごくてびっくりしたんだ。ごめんね。教えてくれてありがとう、助かったよ」


 俺はエクセリオちゃんの頭に当たる位置を撫で撫でする。もちろん感触はないが、エクセりおちゃんは陶然とした顔をして、体をうねうねくねらせている。

 テオネリアのAI、個性強くてチョロいのが多いがマジで大丈夫か……?


「はわ~……そんな、過分なお言葉です……」

「謙遜することはないわ、私達は本当に助かったの。私が国にいたらあなたに褒美を上げたいくらいよ」

「うむ、遠慮することはない。褒章を受けるにふさわしい働きだった」


 二人の言葉にエクセリオちゃんのアバターはますますからだをくねらせ、喜びに打ちひしがれていた。

 うーん、本当に大丈夫かな……不安になってくる。


「何度見てもこれは明らかにヴェレルの書き込みだな……」

「もしやこちらでも副運用体とやらを……?」


 掲示板慣れしていない二人にもあっさり見破られている。

 どうも、追加の検索によるとヴェレルの会社で作る副運用体は高級で、都内で分譲マンションを買えるくらいの金額がするらしい。もちろん、原価で作っているにしても相当高いだろう。それを、こんなくだらないことに使っている可能性、いやほぼ確だろう。邪推だが。


 地球でも石油王と言われる人々がいた。まあ、俺が個人的に知ってるのはビエネッ太さんだけだし、実際には大地主で投資をやって家が太いだけ(?)らしいけど。本物の石油王ってこんな金の使い方をするのだろうか、怖いなあ……。



「しかし、ネット民のゲスな推測が正しかったなんて俺は恐ろしいよ。匿名掲示板の住人の根拠のないプロファイリングがこんなにも正確だったなんてな……」

「どんな推測だったのだ?」

「ヴェレルソフトの社長はサラに振られて自暴自棄になって、サラを忘れられずに発狂して延々とサラを賛美するゲームを作ってる、って話があって、一種の笑い話になってたんだ。でも、情報をつなぎ合わせると、どうやら本当に正しかった気がして……」


 グリセルダとおタヒが死ぬほど嫌そうな顔をしている。気持ちはわかる。腐った肉にもウンコにも触りたくない。汚れや病気が移るからだ。


「……ねえ、私、あずまの国に帰りたい……」

「おタヒ、気持ちはわかるが挫けてはならぬ。お前の知性でヴェレルを打ち負かし、お前の国に堂々と凱旋するのだ」

「そうよね、ありがとう、グリセルダ……」


 グリセルダが優しくおタヒを抱きしめて慰めている。


 んほおおおおおおおお!


 尊い! マジ尊い! 涙が出るほど美しく、そして至上の美がそこにある……!

 どうしよう、転げ回りたい! スクショしたい! 写真撮りたい! SNSにシェアして全グリセルダファンとおタヒファンに共有したい! でもできないしやっちゃだめ! つらい!


 おお神よ! こんな美しいものを俺一人で独占していいんですか?!

 讃美歌とか歌ったほうがいい?! 俺キリスト教徒じゃねえけど!


 アメイジング・グレイスー!! ハレルヤ!

 全力で世界に叫びたい!!!! 俺はいま世界一美しいものを見ている!!!


 俺はカッと目を見開き息をするのも忘れ、脳にこの光景を焼き付けていたので気が付かなかった。


 気がつくと、牛頭くんと風伯が威嚇する声が聞こえる。


「にょわああああああ!」

「キュウウウウウ!」


 威嚇された人間……子供のような体型で、痩せぎすで目付きの悪い少年がいた。


「うーん、珍しい魔獣だね、でもその武器を収めてくれないか」


 目付きの悪い少年は、頑張って口角を上げて、穏やかな笑みを浮かべ俺に会釈した。

 会ったことはないはずだが既視感がある。

 俺よりは顔立ちがいいが、どことなくリアルの俺の子供の頃に似ていた。


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無職のおっさん、幼女にTSして番外編
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